観劇においては、これといった「明文化された」ルールがあるわけではない。
よって、一般的に考えられる「良識をベースにした振る舞い」をしていれば何の問題もない、と思われる。
・・・とはいえ、観劇歴「自分の年齢マイナス10歳」の私が、最低限コレはまもるべき!ということと、実はコレが一番のポイント!ということをまとめてみた。
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何よりも守ってほしいこと⇒荷物のコンパクト化
劇場という限られた空間の中で、一番守ってほしいのが、手荷物のコンパクト化だ。
強調したいのでもう一度言う。。。。
特に女性に多いのだが、メインのバッグ(お財布等の貴重品が入っているバッグ)のほかに、サブバックを2つとかお持ちの方には、モヤモヤすることが多い。
複数のバッグを持っていても、それらがすべて膝の上にきっちりおさまって乗るのならいいのだ。
しかし、たいていはサブバック等は足元に置かれる。
奥の席に入ろうとしたときに、手前の人がガッツリ足元に荷物を置いていると、それらを一度よけてもらう・・・・といった手間が発生する。
奥の席を取った人は何も悪くないのに「すみません(足元の荷物をどけてください)」と懇願しなければならないのも、どこか理不尽だ。
客席に持ち込む荷物は1個にまとめるのがベスト
私は客席に持ち込む荷物は、1個にまとまっているのがベストだと考えている。
例えば、荷物が複数個あるだけで管理が難しくなるので、上演中、荷物を床に落として音をたてるリスクもあれば、隣の席の人の膝の上に荷物をずり落としてしまう可能性がある。
とても迷惑なことだ。
仕事先からまっすぐ劇場にいくからどうしても荷物が多くなってしまう、というやむを得ない事情もあるだろうが、実は「いらないものを整理しきれずに全部持ち歩いているだけ」ということも結構あるのではないだろうか。
観劇に必要なものは、限られている。
だから、劇場に行く日は、最低限の荷物をコンパクトにすべきだし、また、どうしても荷物が多くなってしまったときはロッカー利用も検討すべきだ。
劇場内にロッカーを併設しているところもあるし、なければ近隣のコインロッカーを利用するなどして客席に持ち込む荷物を減らすのが、快適だと思う。
多い荷物は他人に迷惑になるだけではなく、自分の空間も狭くするので窮屈なのではないだろうか?
それと仮に災害が発生した場合、足元にたくさん荷物を置かれると避難するのにかなり邪魔だと思うが、どうなんだろう?飛行機と違ってそういうことはないのだろうか?
個人的おススメ
TUMIのバックパックはカジュアルでいながらエレガントさもあり、かつオペラグラスなど観劇に必要なものも余裕で入れることができるので、重宝♪
客席に音が鳴る荷物を持ち込まないで!
また話は変わるが、少しでも触れるとカシャカシャ音の鳴る袋なども、客席に持ち込まないほうがいい。
以前、同席した知人が、劇場に来る前に買い物をしてきたらしく、触るとカシャカシャ音の鳴る袋を手にしていた。
開演前にもその袋をカシャカシャ言わせていたので、「それ、座席の下にしまって」とお願いしたことがある。
彼女は「忘れたらいやだから・・・」と渋っていたが、「上演中カシャカシャ音を鳴らされては困る」と言うとようやく納得してくれた。
しかし、こういう荷物も、本当は開演前にロッカー等に預けるべきだと思う。
最低限の観劇ルール3選
荷物のコンパクト以外についても触れたい。
日本にはいわゆる社交場としての劇場はない(と思う)ので、ドレスコード等はここでは一切触れない。
ゆえに、日本においては、ちょっとチケットのお高いバレエやオペラの公演であっても、特に着飾る必要もないし、逆に着飾ってお出かけしても楽しい。
要するに服装については、よっぽど不潔だったり、周囲の人を著しく不快にさせるような格好をしない限り、好きにしたらいいと思う。
それ以外で、「これは基本なマナーであろう」と思われることを選んでみた。
上演中はおしゃべりをしない
さすがに上演中にずっとしゃべり続ける観客はみたことがないが、「カノジョに連れられて初めて劇場に来ました」といった感じの若い男性が私の真後ろに座っており、ずっと「あれ?今出てきた人はさっきの人?」とか「ストーリー追えんかったけど、どういうこと?」とカノジョに聞いている、というのを目の当たりにしたことがある。
さすがに耐えられなかったので、幕間に「上演中はおしゃべりしないでね」と注意したら、驚いた様子で「え?!すみません」と素直に聞いてくれた。
その反応からして、彼はどうやら「劇場ではおしゃべりをしてはいけない」ということを知らなかった模様。
当たり前すぎることだが、上演中のおしゃべりはNG。
ただ、個人的には、感動して自然に出てくる声は許容範囲ではないか、と思っている。
「ああ!」とか「わぁ!」とか、思わず出てしまう感嘆の声というものなら、いいのではないだろうか。
もっとも我々日本人は、感動しても「じっ」と感動をかみしめて味わうことが多いので、そういうこともないかもしれないが。。。
また、おしゃべりとは異なるが、咳も頻繁にあると気になる。
アレルギー持ちの方には申し訳ないが、連続して「止められない咳」が出るようなときは、観劇はご遠慮願いたい。
身を乗り出さない
劇場の客席は、背もたれに背をつけて観劇するよう設計されている。
だから、一人でも身を乗り出して観劇してしまうと、客席全体のバランスが崩れるのだ。
最近では身を乗り出して観劇していると、客席係が注意しに来る劇場がほとんどなので、マナーしらずの観客にモンモンと悩まされることは減った。
電話の電源は切るか機内モードにする
最近の劇場は、電波抑止装置がついていることが多いので、万が一、携帯電話のOFFや機内モード化を忘れたとしても大事にはならないが、それでもまだ、電波抑止装置がついていない劇場はある。
だから、電話はかならず電源を切るか、機内モードにするのを忘れずにすべきだ。
いまは亡き中嶋しゅうが主演だった舞台で、中嶋しゅうの長いセリフの最中に、携帯電話の呼び出し音がけたたましく鳴った、というシーンに遭遇したことがある。
電話の持ち主は慌てて携帯電話を操作してすぐに音はやんだが、OFFにし損ねたのか、数秒後にまた電話がかかってきて呼び出し音が鳴り響いた。
こういうのは本当に残念だ。
まとめ・自分も舞台空間の一部だという認識を!
映画でもなく、劇場の動画配信でもなく、劇場という空間に足を運び、生のパフォーマンスをみるということは、「いま」「そこにある空気」を感じたいからに他ならない。
そして、観客も舞台空間の一部なのだ。
そういう認識を忘れさえしなければ、おのずと観劇マナーはついてくると思っている。
そう、ひとりひとりの観客にも、責任があるということ。
そして最後に、もう一度、一番守ってほしいマナーを繰り返させてもらいたい。
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運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
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最終更新日 2024年6月21日