観劇に関すること

舞台芸術愛好家が身分証として小型特殊免許を取得した話【2024年7月】

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私は、長いこと、身分証明書としてパスポートを使っていた。

車を運転しない私にとって、顔写真のついた身分証明書といえばパスポートだったのだ。

舞台鑑賞愛好家として、顔写真付きの身分証明書が必要と想定されるシーンは、チケット購入者に限り入場が許される公演の入場時だろう。

この記事を書いている時点(2024年8月)では、まだ劇場に入るために身分証明書を使ったことはないが、今後、そういう機会は今後十分想定しうる。

だけれども、私には日本国パスポートがあるから、大丈夫、と思っていた。

日本国パスポートといえば日本の外務省が発行しているのだから、信用に足る身分証明書なのだ、と信じて疑わなかった。

そう、あの日までは。

私が書いています
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姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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きっかけは携帯電話回線の契約ができなかったこと

先日、"povo"の契約をしようとした。

"povo"は固定費がかからない携帯電話回線なので、セカンド回線としてぴったりだと思ったからだ。

申し込みのための必要な入力事項を入れるまではよかったが、本人確認書類をアップロードするところで、驚きのあまり声をあげてしまった。

なんと、"povo"の契約に使える本人確認書類は、以下の3つだけだったのである。

ポイント

運転免許証(公安委員会発行のもの※国際免許証を除く)
マイナンバーカード(個人番号カード)
在留カード
(※2024年7月時点での情報)

え?

ええ?

えーーーーー?!

なんと、日本国パスポートが使えないではないか。

なぜ日本国パスポートが使えないのか?

いろいろネットで検索してみたところ、2020年2月4日以降に発給申請されたパスポートは、所持人の住所記入欄が廃止されているため、1点のみでは、本人確認書類として使用できないことがある、ということが分かった。

そして、パスポートを身分証明書として使う場合は、住所が分かる他の本人確認書類等の原本を合わせて提示する必要がある場合がある、というのだ。(※povoの場合、そもそもパスポート自体を身分証明書として受け付けていない)

携帯電話回線の申し込みのほかに、銀行口座開設や、クレジットカードの申し込み、といったケースでも、パスポート単体では身分証明書として扱ってもらえないことがあるらしい、ということが分かったのだ。

ちなみに、私のパスポートは2020年2月4日よりも前に発給申請されており、この記事を書いている2024年8月時点では、まだ数年有効だが、"povo"のように、すでに日本国パスポート自体を本人確認書類として受け付けない、というサービスも出てきている。

これは、何かしら対策をしないと、面倒なことになるぞ!と思ったのだった。

有効な写真付きの身分証明書がないばかりに、チケットを買ったにもかかわらず劇場の前で追い返されることになったりでもしたら、そんなの嫌だ!

※ちなみにマイナンバーカードは持ち歩きたくないと考えている。

なぜ小型特殊免許か?!

いろいろ考えあぐねるまでもなく、「運転免許を取る」というのがさしあたってのソリューションである、ということはわかった。

しかし、今更「普通自動車免許」をとるのも面倒くさいし、そもそもコストがかかりすぎる。

そうなると、選択肢はおのずと、「原付免許」か「小型特殊免許」になる。

どちらにしても、実際に自分が乗ることは想定していない。

身分証明書としてのみ利用するつもりである。

よって、まずコストを比較してみた。(2024年7月時点

私が住む東京都の場合、原付免許取得にかかるコストは、試験手数料1,500円と免許証交付手数料2,050円、そして これに加え、原付講習受講料として4,500円。

合計8,050円である。

一方、小型特殊免許の場合、試験手数料1,500円と免許証交付手数料2,050円で、合計3,550円である。

種類 コスト 講習の有無
原付免許 8,050円 あり
小型特殊免許 3,550円 なし

2024年7月時点、東京都

講習を受講する時間も短縮できて、コスパがいいのは小型特殊免許である、ということが分かった。

試験そのものはいずれも30分。

9割正解すれば、合格である。

非常にシンプル。

学習法~シンプルにテキストを読んで理解すること

Amazonで小型特殊免許試験用のテキストを検索しても、見つからない。

おそらくは、ニーズが少ないため、そうしたテキストも出版されていないのだと思われる。

調べてみたところ、原付免許試験用のテキストで勉強し、小型特殊に関する知識を付加すれば、試験対策としては十分だということが分かった。

原付免許試験用のテキストでの学習

原付免許の学科試験については、やたらと「簡単」とか、「常識さえあれば誰でも受かる」というコメントが、ネット上のあちこちで見つかるが、私は、それほど簡単だとは思わない。

確かに、「道路を通行するときは、交通規則を守るほか、道路や交通の状況に応じて細かい配慮をする必要がある。〇か×か。」という、常識さえあればこたえられるような問題もある。(もちろん正解は「〇」)

しかし、合格するには9割正解する必要があり、交通ルールをきちんと学んで理解していないと答えられない問題もあるのだ。

9割正解、というのは、ケアレスミスを除いて、ほぼほぼ正解していないと達成できないものである。

だから、常識さえあれば勉強しなくても合格できる、というのはウソだと思う。

例えば、「信号機がなく見通しが悪い交差点ならば優先道路を通行していても、必ず徐行しなければならない。〇か×か。」という問題の、正解は「×」であるが、生まれてから半世紀、運転などしたことがない私にとっては当初「優先道路?ナニソレ?」状態であった。

だから、きちんとテキストに沿って、交通ルールを理解しておく必要がある。

しかし逆に言うと、ベーシックなテキストをきちんと読んで理解できていれば、満点を取ることも難しくはない、というのが実際に勉強してみて感じたことだ。

しかもどのテキストも、だいたい200ページに満たないシンプルなもので、必要なことがコンパクトにまとまっているので非常に勉強しやすい。

ちなみに私が選んだのが、最速合格! 原付免許 ルール総まとめ&問題集

説明もわかりやすく、8回分の練習問題もついていて、非常に使いやすかった。

小型特殊に関する知識

上述の通り、原付免許のテキストで勉強すれば、小型特殊免許の試験問題はカバーできるが、一部、小型特殊に関する知識だけはカバーできないので、それはネットで調べて暗記するようにした。

・・・といっても、以下のような情報である。

小型特殊自動車とは?!

時速15㎞超の速度を出せない構造(農作業用は時速35km未満)
長さ4.7メートル以下
幅1.7メートル以下
高さ2.8メートル以下

最大積載量は700kg

学習期間は約2か月・合計30時間程度

ネットを検索すると、原付免許の学科試験に関しては、「前夜の一夜漬けで受かりました」とか「ほぼ勉強しなくても受かりました」といったコメントがたくさん出てくるが、あまりうのみにしないほうがいいと思う。

その理由は前述の通り、日本の交通ルールを理解していないと回答できない問題があることと、合格ラインは正答率90%であるからだ。

私は、フルタイムで働いているので、あまり一気に詰め込むことはできず、時間のある時にテキストを読み、テキストに付随している練習問題を解く、ということをやっていた。

1日に30分の学習を大体2か月続けた。

よって、合計の学習時間は30時間程度だろう。

免許証即日発行~2024年7月某日

2024年7月某日、江東運転免許試験場にて、受験、そしてめでたく即日免許証を発行してもらうことができた。

ちなみに、土日祝日には試験が受けられないので、有給休暇を取得して試験を受けてきた。

ちなみに、江東運転免許試験場の向かいには、「日本デジタル研究所」なる会社があり、その壁には新妻聖子がニッコリ笑っている看板があるではないか。(写真撮るの忘れた)

新妻聖子がこの会社のCMに起用されていたなんて知らなかった。。。。

午後試験の流れ

午後試験は11時集合だった。

受付をし、視力検査をした後、試験手数料1,500円を支払うのに列に並ぶ。

試験手数料は、申込時に決済される仕組みなら、並ばなくてもいいのにと思うが、この辺りはまだアナログである。

支払いそのものは、クレジットカードや電子マネーで可能。

その後、13時過ぎに再度試験が実施される教室に行くまで、空き時間。

ビルの中にカフェはあるが、あまり居心地はよくなさそうなので、近所のベローチェでコーヒーとパンで軽食。

13時台、試験が実施される教室に入ると、ざっと100人以上の受験者がいる。

ちなみに、この日は「小型特殊」を受けるのは私だけだったので、私の受験番号は「001」!(笑)

一番左の最前列の席に座ることになった。

タブレットを渡されて、しばし試験官の注意事項を聞く。

「あー、ちゃっちゃと試験開始させてもらえないかなぁー」と思いつつ、20分ぐらいだったろうか?とにかく長い長い説明を聞いていた。

試験開始から30分後、私のタブレットは自動的に終了し、タブレットを試験官に返して、そっと教室を出る。

ほかの受験者は60分の試験を受けているので、まだ試験を続行中であった。

空いた時間は、江東運転免許試験場内のロビーのソファでスマホなどを見ていた。

14:30ごろ、今度は結果を聞くために、同じ教室に戻る。

教室の中に、大きなスクリーンがあり、そこに合格者の受験番号が記される。

「001、あった!」

とりあえず安堵する。

不合格だった人はここで退場。

合格した人は、免許証が交付されるのを待つ必要がある。

まず最初に、免許証交付手数料2,050円を支払うのだが、現金の人が優先、次に電子マネーやクレジットカードの人、という順番だと聞かされたので、「現金」を選択した。

ちなみに、試験会場を出るまではスマートフォンが使えないので、「デジタル決済手段を使う人は別途申し出てください」というアナウンスがされていた。

なるほど、こういうところでキャッシュって使えるんだー、などと感心していた。

免許証交付手数料2,050円を支払うと、さらに待ち時間である。
同じベローチェにてコーヒータイム。

16:30ようやく免許証の交付である。

11時に到着して17時近くまでかかる。

試験そのものは30分だが、免許証を交付してもらうのだから6時間かかるのは仕方がないか。

まとめ

顔写真付きの身分証明書が必要なら「小型特殊免許」という選択肢がある。

合格すれば即日発行。

土日には試験が受けられないので平日に受ける必要がある。

試験手数料1,500円と免許証交付手数料2,050円で、合計3,550円。

試験勉強は1日30分を2か月間、合計30時間程度。

きちんと勉強すれば合格が可能。

ベーシックな「原付免許」試験用のテキストで勉強すればOK。

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