2023年上演

【2023年】ミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』

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小池修一郎の新作、それも宝塚「以外」で、ということで、どんな作品になるのかと思っていたが、観てびっくり。

あら?私、東京宝塚劇場にいるの?と時々錯覚するような舞台だった。

キラキラして美しい、そしてとてもバカバカしくて愛らしい作品。

なお、Wキャストのボーマニャンは黒羽麻璃央で(立石俊樹もみたかった!)、カリオストロ伯爵夫人は柚希礼音で観劇。

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

ミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』

会場

帝国劇場

観劇日

2023/11/16(Thr)マチネ
2023/11/25(Sat)ソワレ

キラキラした茶番劇

私は「いち観客」なので、制作の裏側のことはよくわからないが、この作品は古川雄大のためにあて書きされたものなのだろうか?

これでもか!これでもか!というぐらい古川雄大の魅力をアピールしてくる。

彼は元々歌唱力が高くないと思うので、個人的にはあまり注目をしてこなかったのだが、ビジュアルの美しさはさすがと言わざるを得ないし、声に独特の陰りがあって素敵、ということに気が付いた。

私の中では、ビジュアル最強で声に何とも言えない色気がある、という点で、古川雄大と城田優が同じカテゴリーである。

男爵令嬢クラリスは、真彩希帆が絵にかいたような「ぶりっ子」で、また笑える。

最初のナンバーは、クラリスのナンバーから始まる。

クラリスが真彩希帆で本当に良かった、彼女の芯のある歌声で最初からガッツリ引き込まれる構成になっている。

ポスターをみて、カリオストロ伯爵夫人は男装の麗人なんだろう、ということは想定していたが、やっぱり1幕では男装の麗人として登場。

「一体ここはどこ!?宝塚歌劇?・・・あ、帝劇か。」と混乱する瞬間である。

私は、カリオストロ伯爵夫人は柚希礼音で見たが、かなり肉感的なので、男装ではクールマッチョ、女に戻ってからはゴージャス美女であった。

このキャラクターも小池修一郎ならでは、なんだろうな、と思わされた。

名探偵高校生役は、加藤清史郎君。

私的には、かなり久しぶり。

多分前回見たときは子役だったと思う。

成人はしているけれど、小柄なので高校生役も何の違和感もなく、そして、(知ってたけど)やっぱり芸達者だな、とうならされた。

ボーマニャンは黒羽麻璃央で見たが、なんだか「楽しそう」という印象。

悪役って、やっぱり演じるのは楽しいのかな?

ただ、個人的には、ルパンを黒羽麻璃央とのWキャストにしてもよかったのでは?という気もした。

そして今回ハートをぶち抜かれてしまったのが、小西遼生。

年齢を重ねて色気が増している。

それでいて、このキラキラ茶番劇に合わせて、完全にコメディに徹したそのギャップがたまらなかった。

確か、彼に注目したきっかけが『魔都夜曲』(2017年)で、変な訛りの中国人を演じた時だった。

その時もうまい役者だな、と思ったのだが、今回は「色気増し増し!」と絶句。

その他アンサンブルなど

ボーマニャンの手下は黒い鷲。

『エリザベート』のトートダンサーのような、黒衣のダンサー集団。

そして、「いいね!」と思ったのが、よく目を凝らして見ると、男性ダンサーの中に長身の女性二人(美麗と政本季美)が混ざっていたこと。

男性ダンサーも中性的ないでたちなので(そういえばトートダンサーもそうだよね?)、もう性別とか全部超えてます!みたいな空気感が良い。

ルパンがクラリスに恋して、彼女を白薔薇だと歌うシーンに出てくる、女性3人は白薔薇の精なのだろうか?

繊細でひんやりした感じの踊りが印象的。

特に、松田未莉亜のディテールが美しかったかな。

キャストボード

2023/11/16(Thr)マチネ

2023/11/25(Sat)ソワレ

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姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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作品情報

キャストなど

キャスト

アルセーヌ・ルパン:古川雄大
クラリス・デティーグ:真彩希帆
ボーマニャン(Wキャスト):黒羽麻璃央(東京公演のみ)/立石俊樹
イジドール・ボートルレ:加藤清史郎
ガニマール警部:勝矢
シャーロック・ホームズ:小西遼生
カリオストロ伯爵夫人(Wキャスト):柚希礼音(東京・名古屋・大阪・福岡公演のみ)/真風涼帆
ゴドフロワ・デティーグ:宮川 浩
レオナール:章平

朝隈濯朗/荒田至法/井口大地/奥山 寛/島田隆誠/鈴木大菜/仙名立宗/中桐聖弥/畑中竜也/廣瀬孝輔/牧田リュウ平/丸山泰右/港 幸樹/渡辺崇人/彩花まり/飯塚萌木/石田彩夏/伊宮理恵/鈴木サアヤ/平井琴望/真記子/政本季美/松田未莉亜/美麗/安岡千夏/山下麗奈
(男女五十音順)

演出・音楽・振付等

脚本・歌詞・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
音楽:ドーヴ・アチア
音楽監督:太田 健(宝塚歌劇団)
振付:桜木涼介
歌唱指導:山川高風、やまぐちあきこ
美術:松井るみ
照明:笠原俊幸
音響:大坪正仁
映像:石田 肇
衣裳:生澤美子
ヘアメイク:富岡克之(スタジオAD)
アクション:監督栗田政明(倉田プロモーション)
舞台監督:二瓶剛雄、田中絵里子
演出助手:加藤由紀子、石川和音
指揮:御﨑 惠(東京・名古屋公演)、田邉賀一(大阪・福岡・長野公演)
オーケストラ:東宝ミュージック、ダット・ミュージック
稽古ピアノ:國井雅美、中條純子
制作:廣木由美
制作助手:谷 香奈美
プロデューサー:服部優希、荒田智子

最終更新日 2023年11月30日

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