2023年上演

【2023年】10年ぶりの再演『天翔ける風に』

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ドストエフスキーの「罪と罰」の舞台を、大胆にも、幕末の日本に設定してアレンジされたこの作品。

10年ぶりの再演とのことだ。

実は私は、野田秀樹作品に対しては、若干の苦手意識があったので、本作見送ろうかと思っていたのだが、ひょんなところから、東京千秋楽のチケットが手に入ったため、見に行くことになった

結論、見てよかった。

この作品は、それほど抵抗なく楽しめた。

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

ミュージカル『天翔ける風に』

会場

東京芸術劇場プレイハウス

観劇日

2023/10/9(Mon) マチネ

志士たちのシャープなダンス

この作品で一番印象に残ったのが、幕末の志士たちのシャープなダンスだ。

また、才谷梅太郎に屋良朝幸、溜水石右衛門に東山義久を配していたこともあり、ダンスシーンはかなりの見ものだった。

女だてらに幕府の役人を目指す三条英を演じる珠城りょうのビジュアルが、男衆に何の違和感もなくなじんでいて美しかった。

三条英の衣装

ちなみに、三条英の衣装、白地がベースだと思うのだが、上半身部分は血を垂らしたかのような赤に染まっていた。

単に、上半分が赤で、下が白、というのではなく、上半身部分は血でぬれたような赤なのである。

あえて何かのメッセージを託しているのだと思うが、なんか怖い感じの衣装に感じられた。

なんで私は野田秀樹作品を苦手と思っていたのか?

今回の作品も、少しややこしい話であることには変わりないが、殺陣のようなキレのいいダンスと、心地よい津軽三味線と太古の音色で、ワクワクしながら最後まで見れてしまった。

これまで、野田作品を苦手と思っていた理由はなんだろう?とちょっと考えてみた。

たぶん、見る側の「一定の教養」が前提になっているように感じるから、かな、と思った。

今回の作品も、ドストエフスキーの原作をある程度知っていないとついていけない部分もあるし、幕末の近代史についての知識も前提となっている。

例えば、最初におみつ殺しの犯人としてあげられていた加藤翔多郎演ずる「左官屋」も、最初はセリフがよく聞き取れなくて「酒屋」だと思っていた。

まあ、衣装を見れば「左」という文字が背中に入った服を着ているので、左官屋だとわかるのだが、物語が進行するにつれて、ドストエフスキー原作の「罪と罰」では、誤認逮捕されたのはペンキ屋だったなぁということがうすぼんやり思い出され、あ!そうか!だから酒屋じゃなくて左官屋かぁ、という具合に遅い理解が訪れた。

このように、野田作品では、観劇中に、クイズを解いているような脳の使い方をさせられるから、これまで苦手と感じていたのかも、と思った。

うん、確かに、見終わった後、軽い疲労感はあった。

私が書いています
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姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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作品情報

キャストなど

キャスト

三条英:珠城りょう 
才谷梅太郎:屋良朝幸
都司之介:今拓哉 
溜水石右衛門:東山義久 
志士ヤマガタ:原嘉孝 
三条智:加藤梨里香
甘井聞太左衛門:駒田一 
三条清/おみつ:剣幸

加藤翔多郎、川勝太地、川原田樹、榊海搭、高瀬育海、望月凜、吉田朋弘 (五十音順)

ミュージシャン:辻 祐(太鼓)/匹田大智(津軽三味線)

演出・音楽・振付等

演出・振付:謝珠栄
原作:ドストエフスキー
脚色:野田秀樹『贋作・罪と罰』より

音楽:玉麻尚一 
作詞:謝珠栄、佐藤万里 
美術:大田創 
照明:小川修 
音響:山本浩一
衣裳:西原梨恵 
ヘアメイク:趙英 
殺陣:渥美博 
歌唱指導:満田恵子 
太鼓アドヴァイザー:上田秀一郎 
稽古ピアノ:太田裕子 
演出助手:武田篤 
振付助手:千田真司
舞台監督:浅沼宣夫

宣伝美術:永瀬祐一(BAT DESIGN) 
宣伝写真:加藤アラタ 
宣伝スタイリスト:ゴウダアツコ 
宣伝ヘアメイク:西川直子
宣伝:DIPPS PLANET

企画制作:東京芸術劇場

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