2022年上演

【2022年】良質な和製ミュージカル『リトルプリンス』

2022-littleprince

https://lasfloresrojas.com

サン=テグジュペリの「星の王子様」を原作として、1993年に誕生した音楽座ミュージカル『リトルプリンス』。

その存在は「シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ」とともに、音楽座を代表するような(?)作品だという認識はしていたのだが、私にとっては2022年が、初めてのミュージカル『リトルプリンス』体験となった。

なお、王子役は土居裕子と加藤梨里香だが、私は加藤梨里香で鑑賞

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

リトルプリンス

会場

シアタークリエ

観劇日

2022/1/29(Sat)マチネ

チケット争奪戦に破れ、無念!

王子役は、土居裕子と加藤梨里香。

(当初は王子役に坂本真綾も予定されていたが、降板になったため、加藤梨里香がキャスティングされた)

王子役はどちらも見たいに決まっている。

年齢不詳のベテラン女優による王子と、若手女優による王子、どっちも見たい!!!

よって、各種抽選申し込みをしたのだが、複数申し込みをしたうち、当選したのは1枚のみ。

よって、土居裕子の王子は泣く泣くあきらめることになった。

スピリチュアルに訴えかけてくる作品

ひとことでいうと、上質な作品だな、という印象。

本当に大切なものは見えない、というメッセージのみならず、音楽やせりふの一つ一つがスピリチュアルにじわっと訴えかけてくるような、そんな優しい雰囲気のある作品だ。

役者が素晴らしかった

どれだけボキャブラリが貧困なんだ、と我ながらあきれてしまうが、とにかく役者が素晴らしかった。

豪華キャスト、というのは、疑いなくその通り。

若手だが既に貫禄のある加藤梨里香

童顔で小柄ながら、非常に貫禄のある女優だと思う。

それもそのはず、芸歴を調べると9歳の時からキャリアがある。

なるほど。

私が彼女を認識したのは、2021年『レ・ミゼラブル』のコゼット役からだが、その時も歌唱力も演技力もとにかく安定しているという印象だった。

今回も、感情豊かな「不思議ちゃん」王子を、屈託なく演じていた。

ピュアな瞳で壮大な真理を語る、というのは、実はとってもすごいこと。

「愛」しか感じなかった井上芳雄

いまさら、彼の歌唱力についてはあえてコメントしない。

今回の役では、すごく温かいものを感じた。

「愛」しか感じられないというか、そんな感じ。

とても優しくて大きい、飛行士とキツネ。

ダンサー特有のムーブメントが見事な大野幸人

生粋のダンサー、それもクラッシック系ではない人の動きを見ていて、よく思うのが、「普通の人より関節の数が多いに違いない」ということ。

あんな細かな動きができるのは、関節の数が多いからに決まってる!と、ついつい思ってしまうのだ。

敏捷で、かつ、うねうねしたあの身のこなしは、ヘビ以外の何物でもない。

元気がなさそうだね?と言われて、「陽気なヘビなんていないさ・・・」とボソッと言うセリフが好き。

どこまでいっても気品のある花總まり

花總まりもナイスキャスティングだった。

気位が高くて、でもか弱い「花」は、彼女にぴったりだった。

薔薇にトゲがあるのは誰かを傷つけるためではなくて、「花」は弱いから、自分の身を守るためにトゲをもっている・・・・

あ、そうなんだ、知らなかった、でも腑に落ちた。

私が書いています
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姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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作品情報

キャストなど

キャスト

王子(Wキャスト):加藤梨里香/土居裕子
飛行士/キツネ:井上芳雄
ヘビ:大野幸人
花:花總まり

桜咲彩花、加藤さや香、木暮真一郎、縄田 晋、荒川湧太、塩川ちひろ、中西彩加、本田大河、森田有希、安井 聡、山花玲美

演出・音楽・振付等

演出:小林 香
振付:港 ゆりか・木下菜津子
音楽監督:鎭守めぐみ
編曲:前嶋康明
美術:松井るみ
照明:高見和義
音響:山本浩一
衣裳:中村秋美
ヘアメイク:伊藤こず恵
映像:KENNY
歌唱指導:林 アキラ
舞台監督:北條 孝・大刀佑介
演出助手:末永陽一
制作:千葉文香
アシスタントプロデューサー:梶原亜沙子
プロデューサー:小嶋麻倫子・鈴木隆介
製作:東宝

<音楽座ミュージカルオリジナルプロダクション>
総指揮:相川レイ子
脚本・演出:ワームホールプロジェクト
音楽:高田 浩・金子浩介・山口琇也
製作著作:ヒューマンデザイン

最終更新日 2022年2月15日

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