2022年上演

【2022年】新キャスト『ダディ・ロング・レッグズ』

Daddylonglegs

https://lasfloresrojas.com

ダディ・ロング・レッグズは日本初演から10年が経過しているが、2022年は、ジルーシャ・アボットに上白石萌音を迎えた新キャスト版である。

幸運なことに、私は初日のチケットが取れ、しかも最前列でかぶりつきで観劇できることになった。

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

ダディ・ロング・レッグズ

会場

シアター1010

観劇日

2022/8/14(Sun)マチネ 初日!

ジルーシャは上白石萌音の当たり役では?

最前列で、かなり期待しながら見ていたが、思った以上に良かった。

もしかしたらジルーシャは彼女の当たり役なのでは?と思ったぐらいだ。

賢く、自分のアタマで考えることができ、好奇心旺盛で、そして権威にひるんだりしない意志の強いところ・・・そうしたジルーシャのキャラクターを余すことなく表現できていたのと、楽曲が彼女の声によく合っていたように思う。

最初のナンバー、「一番年上のみなし児 - The Oldest Orphan in the John Grier Home」を聴いて、あれ?萌音ちゃん、さらに歌唱力バージョンアップした?という印象を持った。

・・・同時に、彼女はこの作品や、ジルーシャが好きなんだろうな、という印象も持った。

実際、終演後のあいさつで、坂本真綾が演じていた時からこの作品が好きでDVDも持っている、と話していた。

やっぱり!という感じ。

ダンディだけど滑稽で愛らしい井上芳雄のジャーヴィス

ギャンブラー(※1)から、金持ちの慈善家への切り替え、お疲れ様です!と言いたくなる初日だった。

(※1)2022/7/29まで、井上芳雄は「ガイズ&ドールズ」に出演、ギャンブラーである主演のスカイを演じていた。

ちなみに観客としては、井上芳雄を観られるのは非常にうれしいけれど、同時に「ちゃんと休めていらっしゃるのかしら?」と余計な心配までしたが、本当に大丈夫なのだろうか。

さて、このジャーヴィスというのは非常に面白い役だ。

彼、文才のある孤児院の少女(ジルーシャ)に金銭的援助をし高等教育をつけさせる、金持ちの慈善家だ。

ところが、途中からジルーシャに振り回され、心をかき乱される、という筋書き。

思いがけず、小悪魔な女に振り回されている恋愛中の男性とおんなじ。(笑)

白髪のおじいちゃんじゃないにしても、ジルーシャよりは年上で、はるかに物を知っているはずのジャーヴィスが、少女のふるまい、それも手紙でのやりとりだけで、こんなにも心を乱され、取り乱す・・・・

そうした様子が滑稽なぐらい愛らしかった。

ダンディで可愛い、そんなジャーヴィスだった。

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初日の楽しみ

私は、どんな演目でも、初日に都合がつき、かつチケットが取れるなら、初日を見ることにしている。(もちろん諸般の都合で観劇できないことのほうが多いが)

理由は、独特の緊張感と、客席の華やかさが好きだから。

特に今回は、上白石萌音のジルーシャ完全「初日」ということもあり、舞台にも客席にも心地よい緊張感が張り詰めていたように思う。

初日!

客席をみる楽しみ

客席には、演出のジョン・ケアードと、当作品の翻訳担当でありジョン・ケアード夫人である今井麻緒子の姿をみることができた。

そのほか、私は確認できなかったが、客席には幾人かの俳優たちの姿あったとかいう情報もあった。

ちなみに、井上芳雄夫人の知念里奈は、2022/8/14の昼は、ミス・サイゴンのエレンを演じていたようなので、初日観劇はされていないよう。

舞台挨拶

初日のもう一つの楽しみといえば、舞台挨拶。

当公演はキャスト2名の演目であるため、実質、井上芳雄と上白石萌音のトークショーだった。

年は離れているものの、アーティスト同士、お互いをリスペクトしあっているということがよくわかるトークだった。

このトークを聞いて初めて知ったのだが、井上芳雄は2022/7/29まで「ガイズ&ドールズ」の博多公演に出演していたため、稽古は今拓哉が代わりにやっていたのだとか。

上白石萌音が「ジャーヴィスはぎりぎりまでギャンブルにはまっていたので・・・」と説明したのが、ウィットに富んでいて面白かった。

二人して最後は「この作品が大好きです」と宣言していた。

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姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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作品情報

キャストなど

キャスト

ジャーヴィス・ペンドルトン:井上芳雄
ジルーシャ・アボット:上白石萌音

演出・音楽・振付等

音楽・編曲・作詞:ポール・ゴードン
編曲:ブラッド・ハーク
翻訳・訳詞:今井麻緒子
脚本・演出:ジョン・ケアード
装置・衣裳:ディヴィッド・ファーリー
音楽監督・歌唱指導:山口琇也
照明:中川隆一
音響:本間俊哉
ヘアメイク:宮内宏明
舞台監督:栁田 諒
演出助手:末永千寿子
アシスタントプロデューサー:梶原亜沙子
プロデューサー:小嶋麻倫子

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