2023年上演

【2023年】他国から見たニッポン開国!『太平洋序曲』

2023-PacificOvertures

https://lasfloresrojas.com

日本でも何度か上演されているこの作品、実は私は今回初めて観劇した。

また、今回の作品は休憩なしの1幕ものであったが、どうやらこれはフルバージョンのほかにもう一つ存在している「短縮版」とのこと。

よって、日本開国という壮大なテーマを、コンパクトにアッサリ上演している感じはぬぐえなかったものの、他国が描いたニッポンという面白い作品ではあった。

なお、今回の観劇数は3回。

ダブルキャストの観劇状況は以下の通り。

狂言回し:山本耕史、松下優也をコンプリート
香山弥左衛門:海宝直人、廣瀬友祐をコンプリート
ジョン万次郎:ウエンツ瑛士、立石俊樹をコンプリート

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

『太平洋序曲』

会場

日生劇場

観劇日

2023/3/8(Wed) ソワレ 初日!
2023/3/12(Sun) ソワレ
2023/3/28(Tue) マチネ

リリックなソンドハイムのメロディ

SNSでは、ソンドハイムの楽曲は難解である、といううわさが流れていたので、少し構えていたが、いやいやそうでもなかった、というのが私の率直な感想である。

特に香山弥左衛門とジョン万次郎が道中で掛け合いをする歌は、非常にリリックで耳になじみやすいものだった。

ちなみにソンドハイムの楽曲を使っている作品で私が見たことがあるのが『メリリー・ウィー・ロール・アロング』と『イントゥ・ザ・ウッズ』だが、確かにいわれてみると、思い出して口ずさめる曲は無い。

しかし、『太平洋序曲』は初回の観劇後にも、ふと思い出される旋律もあった。

ちなみに、なぜか印象に残っているナンバーは、「木の上の誰か Someone in a Tree」である。

なんでだろう???

和服も似合う廣瀬友祐

2022年9月の『モダン・ミリー』では、高級仕立てのスーツがこの上なく似合う男!として絶賛した廣瀬友祐だが、今回は和服に髷。

ほれぼれするほどいい男。

香山弥左衛門役は、まったくテイストの違う海宝直人と廣瀬友祐をキャスティングしたのも面白かったと思う。

アンサンブルの見せ場の多さ

どの作品でもアンサンブルが大事なのはその通りなのだが、特にこの作品では、アンサンブルの見せ場が非常に多いように感じた。

ペリーとロシア提督を兼務した中西勝之とか、「プリティ・レディ」の水兵の藤田宏樹とか、「緊張緩和♪」で何故かオネエ言葉でしゃべるフランス代表の照井裕隆、「ボクは見たぞ♪」で丸刈りの少年になってる谷口あかりとか。。。。

まさかの爺に扮している可知寛子とかもインパクトありありで。。。。

1幕の短い短縮版ではあるが、見どころがギュ!と詰まっている印象があった。

今なぜこの作品?

今回はミュージカルの出来と全く関係ないことが、すごく気になった。

それは、なぜ「いま」この作品を上演するんだろう?ということ。

明治維新から、明治~大正~昭和~平成を経て、いま令和。

いままた、この時と同じような時代のパラダイムシフトが始まるよ、という合図に思えて仕方がなかったのだが、私だけ?

私が書いています
運営者情報

姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

続きを見る

作品情報

キャストなど

キャスト

狂言回し(ダブルキャスト):山本耕史/松下優也
香山弥左衛門(ダブルキャスト):海宝直人/廣瀬友祐
ジョン万次郎(ダブルキャスト):ウエンツ瑛士/立石俊樹
将軍/女将:朝海ひかる

老中:可知寛子
たまて:綿引さやか
漁師:染谷洸太
泥棒:村井成仁
少年:谷口あかり
アメリカ提督:杉浦 奎介
イギリス提督:武藤寛
オランダ提督:田村雄一
ロシア提督:中西勝之
フランス提督:照井裕隆
水平:藤田宏樹
少女:井上花菜
スイング:横山達夫

演出・音楽・振付等

作詞・作曲:スティーブン・ソンドハイム
劇作・脚本:ジョン・ワイドマン
演出:マシュー・ホワイト
編曲:ジョナサン・チュニック
翻訳・訳詞:市川洋二郎
振付:アシュリー・ノッティンガム
音楽監督:キャサリン・ジェイズ
美術:ポール・ファーンズワース
照明:吉枝康幸
音響:山本浩一
映像:西田淳
衣装:前田文子
ヘアメイク:中原雅子
殺陣:加藤学
音楽監督補:小澤時史
指揮:小林恵子
歌唱指導:やまぐちあきこ
音楽監督助手:大隅一菜
歌唱指導助手:横山達夫
稽古ピアノ:久野飛鳥
オーケストラコーディネート:新音楽協会
振付通訳・リサーチ:服部有吉
通訳:天沼蓉子、吉田英美
所作指導:花柳恵右衛門(大沢健)
所作指導助手:藤間栄衣寿(山中美奈)
人形指導・監修:木偶舎勘緑
美術補:岩本三玲
演出助手:河合範子
舞台監督:藤崎遊

-2023年上演