日本初演作品。
もともとスペイン文化に興味があり、スペイン語学習者でもあったので、アルモドバル作品は何本か見ていた。
アルモドバルの世界観は割と好き。
そして、ミュージカルはもっとすごかった!
ちなみに、2026年6月時点では、この作品が、「私の中での今年のイチバン!」である。

観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』
会場
日本青年館ホール
観劇日
2026/6/9(Tue)マチネ
2026/6/20(Sat)ソワレ
愛くるしい女たち
まず目を引いたのが、狂気的でありながらも愛おしい女性キャスト陣の活躍である。
アルモドバルの描く世界に出てくる女たちは全般的に狂っているが、なぜか非常に人間らしく、エキセントリックなのに妙に身近に感じられる。
主役の望海風斗はとにかくハマり役で、エリザベートなんかよりもずっと良かった。
赤いスリップ姿も全くいやらしさもなく、美しい。
個人的には、望海風斗は皇后など高貴な人よりも、どこか泥臭さがあったり、一癖あったりするエキセントリックな役柄のほうが、その圧倒的なエネルギーと演技力が生かされるように思う。
今作のように、一見すると突飛で極端な状況に置かれたキャラクターであっても、彼女が演じることで不思議な説得力が生まれ、観客をその世界観へ一気に引き込んでしまう。
気高さを求められる大作のヒロインとはまた違う、血の通った一人の女性としての生々しい魅力が、舞台上で見事に開花していた。
秋山菜津子は狂った女を演じながらも、随所にいじらしい女ごころを覗かせる演技がさすがだ。
アタオカ(頭がおかしい)なのに、すごく共感できる女性像を突き付けられた感じだ。
さらには、ヒョウ柄のコートやベビーピンクを着こなす姿も見事。
和希そらは男役時代を知らないのだが、本当に男役だったのかと信じられないほど可愛い。
今回はビッチなモデル役として、親友のペパに一晩中狂ったように電話をかけて依存心丸出しにする狂気を、見事に魅力的に演じきっていた。
魅力的な男たち
女性陣に負けず劣らず、舞台を力強く引っ張る男性キャスト陣の存在感も圧倒的であった。
遠山裕介はモーツァルトのシカネーダ役の時にも歌唱力の著しい向上に驚かされたが、今回も最初のナンバーが彼のソロであるなど抜群の仕上がりであった。
ビジュアル的にも、ノリ的にも、ラテン系の空気が似合っており、狂言回しやストーリーテラーのように舞台を力強く牽引していた。
また、髙嶋政宏が演じるイバンもこれまたハマり役で、憎めないくそ男というキャラクターがずいぶんはまっている。
映画版でアントニオ・バンデラスが演じた雰囲気にもどこか似ていた。
さらに、細部まで目が離せないアンサンブルも見どころに溢れていた。
カンデラ(和希そら)の過去の情事の相手として回想シーンに登場するレオン神父役の荒田至法は、祭服の胸をあけてほほ笑むシーンがとても美しく印象に残っている。
そしてラストのシーンに登場する電話修理屋役の大久保徹哉も非常に可愛らしかった。
このように、マッチョで美しいラテン男が随所に登場して舞台を彩るのも、本作の大きな魅力の一つである。
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運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
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作品情報
キャストなど
キャスト
望海風斗/秋山菜津子/和希そら/長井短/溝口琢矢/黒川桃花/遠山裕介/髙嶋政宏
広田勇二/仙名立宗/大久保徹哉/荒木啓佑/荒田至法/天丸翼/菅井理久/三木麻衣子/塚本直/山田美貴/杉山真梨佳/小石川茉莉愛/德岡明/桑原あみ/丹治聡美
演出・音楽・振付等
原作:ペドロ・アルモドバル 映画「神経衰弱ぎりぎりの女たち」
脚本:ジェフリー・レーン
音楽/歌詞:デイヴィッド・ヤズベク
翻訳/訳詞/演出:上田一豪
音楽監督:益田トッシュ
振付:藤林美沙/柳本雅寛
美術:石原敬
照明:関口大和
音響:高橋秀雄
映像:大鹿奈穂
衣裳:大東万里子
ヘアメイク:野澤幸雄
歌唱指導:塚本直/黒崎ジュンコ
演出助手:守屋由貴
舞台監督:広瀬泰久
プロデューサー:篠﨑勇己/貝塚憲太
エグゼクティブ・プロデューサー:岡田慎太郎/渡辺ミキ
ビジュアルスタッフ
デザイン:加藤秀幸
写真:渡邉成美
スタイリング:十川ヒロコ
ヘアメイク:野澤幸雄
セットデザイン:KURONO
製作:TBS/ワタナベエンターテインメント

