2023年上演

【2023年】ほんのりビターな青春物語『ビロクシー・ブルース』

https://lasfloresrojas.com

舞台は第二次世界大戦中の新兵訓練所、だというので、そんなに笑える話じゃないんじゃないの?と思ったが、本作品の作家はあのニール・サイモン。

私はニール・サイモンをそれほど多く知っているわけではないが、ニール・サイモンなら、どんな状況にあっても笑いを盛り込んでくれるだろう、でもどうやって?

・・・というような、前知識ゼロ状態で、初日を観劇してきた。

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

『ビロクシー・ブルース』

会場

シアタークリエ

観劇日

2023/11/3(Fri) ソワレ ←初日!

とにかくテンポがいい!

舞台は第二次世界大戦中の新兵訓練所なので、若い男子たちが、この作品の中心だ。

彼らの若さ炸裂状態のハチャメチャな会話でストーリーが進んでいくのだが、とにかくテンポがいい。

主役のユージン演じる濱田龍臣が、要所要所でストーリーテラーのような役割もするのだが、どのセリフもよどみなく、スッと受けられる心地よさ。

この役者、子役出身?と思って調べてみたら、やはり子役出身だった。

私はあまりテレビを見ないので彼のキャリアを知らなかったのだが、大河ドラマ等で非常に評価されていた子役だったらしい。

嫌味のないさわやかな容貌に、好青年風の明瞭な話し方、とても魅力的だと思った。

また、新兵たちは全員超個性的。

大山真志演じるワイコフスキのセリフに、「バッキンガム宮殿」の「バ」の音を、別の音に変えて発話するシーンがあったのだが、クスクスと笑えた。

こういう爽やかでストレートな下ネタは嫌いじゃない。

ちなみに、原作は英語だろうから、このセリフは翻訳者のセンスだろう。ブラボー!

きっとどの部隊ににもいたであろう虚弱体質の青年エプスタインは宮崎秋人。

シアタークリエの後方の席にいても、彼の細かい表情がみえるのはさすが。

とくに、軍曹に腕立て伏せをさせることに成功した時の、あのサイコパスっぽくニヤリとわらうところがよかった。

いや、実のところ、彼の顔の細かい表情は見えていないんだが、立ち姿やしぐさで、ニヤッとしているだろうな、とわかるのがすごいと思った。

ちなみに、この宮崎秋人、『マヌエラ』に出てきたチェンか!

あの役も非常に個性的だった。

一癖ある役が得意なようだ。

大人たち

軍曹も、新納慎也が演じるとメチャクチャスタイリッシュ。

立ち姿がカッコいい〜。

ま、それだけにあまりリアリティないかな、こんなカッコいい軍曹いるかよ!という気もした。(いや、実際の戦時中の軍隊のことを知らないけれど、なんとなく。)

この作品の中では、トゥーミー軍曹は、愛すべきキャラとされていたのも興味深い。

また、ロウィーナの小島 聖は、出番が非常に少なかった割には、インパクト大だった。

衣装は、暗くて深い赤色のスリップ姿で、ほぼ裸。

しかしスタイルいいなぁ、とため息が出た。

若者たちのエネルギッシュなパワーも、こうしたベテラン「大人」演者でピリッと引き締まった印象。

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姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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作品情報

キャストなど

キャスト

ユージン:濱田龍臣
エプスタイン:宮崎秋人
カーニー:松田 凌
セルリッジ:鳥越裕貴
ヘネシー:木戸邑弥
ワイコフスキ:大山真志
デイジー:岡本夏美
ロウィーナ:小島 聖
トゥーミー:新納慎也

演出・音楽・振付等

作:ニール・サイモン
翻訳:鳴海四郎(早川書房/2009)
上演台本・演出:小山ゆうな
美術:二村周作
照明:勝柴次朗
音楽:木原健太郎
音響:尾崎弘征
衣裳:半田悦子
ヘアメイク:小林雄美
ステージング:田井中智子
歌唱指導:満田恵子
軍事所作:越 康広・長谷部浩幸
演出助手:西 祐子
舞台監督:宇佐美雅人
制作助手:荒川藍子
アシスタントプロデューサー:清水光砂
プロデューサー:仁平知世

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