子供が主役のグランドミュージカルで、かつ東京公演も約1か月半と比較的長い作品だったため、あらかじめ数枚チケットを押さえておいた。
なぜか?
子供はすぐに大きくなる。
だから「いま!」しかみれない奇跡が絶対にあるはずだと思ったのと、作品上演中にもぐんぐん成長するはずだからそれも見たかった、というのが理由である。
今回のマチルダは、嘉村咲良/熊野みのり/寺田美蘭/三上野乃花、のクワトロキャスト。
ただ、とても残念なことに、子役のスケジュールはチケット販売時には発表されておらず、私の持っていたチケットでは、寺田美蘭のマチルダのみ見られず。
追加でチケットを購入しようとしたものの、自身のスケジュールと合わず断念。。。
ちなみに、大人プリンシパルのダブル、トリプルキャストはすべてコンプリート。
今回は合計6回の観劇となったが、各ダブル・トリプル・クワトロキャストの観劇回数は以下の通り。
マチルダ:嘉村咲良×3、熊野みのり×2、三上野乃花×1(寺田美蘭見逃し)
ミス・トランチブル校長:大貫勇輔×1、小野田龍之介×2、木村達成×3
ミス・ハニー:咲妃みゆ×2、昆 夏美×4
ミセス・ワームウッド:霧矢大夢×3、大塚千弘×3
ミスター・ワームウッド:田代万里生×4、斎藤 司×1、斎藤准一郎×1(田代万里生休演時)
ミセス・フェルプス:岡 まゆみ×4、池田有希子×2
ブルース:松浦歩夢×4、片岡蒼哉×1、堀蒼寿×1(後藤レイサ見逃し)
エリック:高橋維束×2、渡邉隼人×3、髙橋 輝×1(廣門来輝見逃し)
Contents
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『マチルダ』
会場
東急シアターオーブ
観劇日
2023/3/25(Sat) マチネ 初日
2023/4/1(Sat) ソワレ
2023/4/9(Sun) マチネ
2023/4/11(Tue) ソワレ
2023/4/23(Sun) マチネ
2023/5/5(Fri) ソワレ 前楽
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天才少女が演じる天才少女
そもそもマチルダは天才少女、という設定なのだが、ミュージカル作品においては、マチルダを演じる少女も天才少女。
全幕を通じて、主役として歌って踊って芝居する少女って、どんな少女よ?
普通に考えたらありえない!わけで。
もうこれは見るしかないな、と腹を決めてみたこの作品。
今回は4人の天才子役のうちの3人を見ることができたのだが、とりわけ印象深いのが、やはり初日に見た嘉村咲良。
とにかく表情がいい。
客席に背を向けているときにも背中がしゃべっているように見えたのには驚いたのと、父親のヘアトニックにいたずらをするときのあの「たくらみの表情」がすごくいい!
全幕を通して、嘉村咲良のマチルダは何かを悟っているように見えたのは、多分気のせいなんかじゃなくて、きっとこの子自身が何かを悟っているんだろうな、天才なんだろうな、と思わされた。
また、北川景子を小さくしたような美少女の熊野みのり、目力が強くて存在感があった。せりふは少し聞き取りにくいところがあったけれど、音を丁寧に拾って歌う歌唱力は素晴らしかった。
嘉村咲良と熊野みのりのマチルダが、大人並みというかそれ以上の精神を持ち合わせて世界と対峙しているのに対し、三上野乃花のマチルダは、一番無邪気で子供らしい子供に見えた、無邪気な天才少女、といった感じ。
ダンスナンバーがすごかった
今回はなぜかとったチケットがことごとく1階の前方の席だったので、遠くから「引き」でみることはできなかったのだが、その代わりに、かぶりつきで舞台をみることができた。
今回のダンスナンバーの見どころは、やはり「スクール・ソング」。
舞台では、学校の校門?を模した扉に、何人かの上級生たちが上ったり下がったりするのだが、「おいおい、落ちるなよ・・・」とドキドキしながら見守っていた。
ここは筋肉ムキムキのキダルト(kidとadultの合成語。大人になっても子供の心を持ち続けている)たちが上級生役としてアクロバティックなダンスを披露する。
そして2幕後半の「レボリューション・チルドレン」も圧巻。
単純にテンションあげあげになるのがうれしい。
このナンバーでは、最初の歌いだしがブルースなのだが、特に松浦歩夢ブルースの声の透明さが印象に残っている。
その他、ミセスワームウッドとルドルフォが、ハニー先生巻き込んで踊るナンバーも、中盤アンサンブルのサルサダンサーが出てきて、がっつり盛り上がる。
大人プリンシパルなど
トランチブル校長のキャスティングが面白いな、と思った。
小野田龍之介は期待通りといった感じだが、残りの二人はかなり意外なキャスティング。
しかし実際舞台を見てみると、大貫勇輔がデブの大女が意外とはまっていて、嫌らしい口調なんかも、「あー、こういう嫌らしい嫌味なオバハンいるよね」という感じになっていて驚いた。そして、ダンサーらしく、ソロのリボンダンスは圧巻!
また、イケメン好青年木村達成がトランチブル?とこれまた意外だったのだが、やっぱり演技力が高いんだな、彼のトランチブルも迫力があった。そしてミニスカートから伸びる脚がとにかくキレイ~!
ワームウッド役も、田代万里生と斎藤 司とダブルキャストという非常に面白いことに。
芸大卒のテノールとお笑い芸人のダブルキャストとは面白い!
ちなみに今回初めて斎藤 司の歌を聴いたのだが、彼が歌が上手なのは知らなかった。
田代万里生は、アドリブがたくさん入っており、イキイキと役を楽しんで遊んでいる印象。
どちらのワームウッドも見ていて楽しかった。
そして、どちらのワームウッドも、毒親でありながらマチルダには愛情を持っている感じが出ていたのが微笑ましい。
ミセス・ワームウッドは、霧矢大夢と大塚千弘でキャラが違っていたのも面白かった。
迫力のある大女キャラの霧矢大夢と、あざと可愛いキャラの大塚千弘。
ミセス・ワームウッドの一番の見せ場は、ルドルフォとのダンスシーンだろう。
ロイヤルブルーとショッキングピンクを基調としたど派手な衣装で踊るシーンは、この上なく楽しいナンバーだ。
ちなみに、ルドルフォは斎藤准一郎で、毎回素敵なヒップと脚線美を披露していたが、田代万里生休演時には斎藤准一郎がワームウッドになり、ルドルフォが寺井竜哉という回もあった。「イケメン発見!」という感じだったので、そのキャストも嬉しかった。
ハニー先生役には、咲妃みゆと昆 夏美。
自信がなく控えめでありながら、その知性と品性で存在感のある役、今回はWキャストどちらもものすごくよかった。
一つ、気になったこと。
ハニー先生はメガネをかけているシーンと、そうではないシーンがあるのだけれど、メガネを外しているシーンでは、本当に「あまりみえてなさそう」に見えたのだ。
視力が弱い演技ってあるんだろうか?
ミセス・フェルプスは、マチルダのお話を聞く「聞き手」でありつつ、実はこのストーリーを語るストーリーテラーでもある、という面白い役どころ。
感受性が強くて少女みたいな岡 まゆみのフェルプスと、ちょっと変わり者の面白いオバサン池田有希子のフェルプス、と、これまた微妙な違いが面白かった。
ただ、この役、ソロのナンバーは無いのね。
キャストボード・記録
以下に各回のキャストボードを記録に残しておく。
作品情報
キャストなど
キャスト
マチルダ:嘉村咲良/熊野みのり/寺田美蘭/三上野乃花(クワトロキャスト)
ミス・トランチブル校長:大貫勇輔/小野田龍之介/木村達成(トリプルキャスト)
ミス・ハニー:咲妃みゆ/昆 夏美(Wキャスト)
ミセス・ワームウッド:霧矢大夢/大塚千弘(Wキャスト)
ミスター・ワームウッド:田代万里生/斎藤 司(トレンディエンジェル)(Wキャスト)
ミセス・フェルプス:岡 まゆみ/ 池田有希子(Wキャスト)
原 慎一郎
寺井竜哉*、仲本詩菜*、春口凌芽*、山花玲美*
石井亜早実、大久保徹哉、小島亜莉沙、斎藤准一郎、酒井 大、坂口杏奈、白山博基、髙原華乃、出口稚子、深沢萌華、本田大河、森 莉那、森内翔大、大場啓博
片岡蒼哉、後藤レイサ、堀 蒼寿、松浦歩夢 / 髙橋維束、髙橋 輝、廣門来輝、渡邉隼人
*スイング
演出・音楽・振付等
脚本:デニス・ケリー
音楽・歌詞:ティム・ミンチン
脚色・演出:マシュー・ウォーチャス
振付:ピーター・ダーリング
デザイン:ロブ・ハウウェル
オーケストレーション・追加音楽:クリストファー・ナイチンゲール
照明:ヒュー・ヴァンストーン
音響:サイモン・ベーカー
イリュージョン:ポール・キーヴ
日本公演スタッフ
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
演出補:西 祐子 藤倉 梓
振付補:前田清実
音楽監督補:竹内 聡
照明補:大島祐夫 岡崎 亘
音響補:佐藤日出夫
衣裳補:阿部朱美
ヘアメイク補:鎌田直樹
舞台監督:北條 孝 田中直明
プロダクション・マネージャー:田中孝昭
宣伝美術:服部浩臣
撮影(日本公演キャスト):HIRO KIMURA