ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイの作品。
本国ドイツや、ウィーンでは、クラシックをエンタメにするのはNGとのことで、アジアをマーケットにして作られた作品なんだとか。
2023年1月に韓国で初演、という、なんだかとても面白い経歴。
ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイといえば、ミュージカル『モーツァルト』があるので、そのようなものかと思ったら、全然違っていて、ある意味びっくりさせられた。
Wキャストのカスパールは、海宝直人(*東京公演のみ)、小野田龍之介をコンプリート、フランツも佐藤隆紀、坂元健児の両方をコンプリート。
子役のみ、コンプリートならず。
ショルシュ役は3回とも西田理人(三木治人見逃し)、マクセ役は井澤美遥と若杉葉奈で観劇(長尾侑南見逃し)。
Contents
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
ミュージカル『ベートーヴェン』
会場
日生劇場
観劇日
2023/12/17(Sun)マチネ
2023/12/26(Tue)マチネ
2023/12/27(Wed)マチネ
ベートーヴェン 闘い続けた人生から生まれた音楽(井上芳雄) https://t.co/UW9AqJHl4k #日経クロストレンド
— 東宝演劇部 (@toho_stage) December 21, 2023
楽曲はベートーヴェンの曲
東京公演の幕が上がってから、SNS等で、先に観劇した人たちの投稿を見て初めて知った、この作品は、ベートーヴェンの曲をベースにアレンジしたミュージカルナンバーでつづられる作品なのであった。
マッシュアップ、とでもいえばいいのだろうか。
この新しいスタイルに、ちょっと面食らった。
完全に新しいスタイルであるせいか、「うーん、どうなんだろう?」というのが正直なところだったが、何度か見ているうちに、こういうスタイルの良さも見出せるようになるのかもしれない。
悪くはないと思う。
井上芳雄と花總まり
『エリザベート』でさんざん見たこの組み合わせ、またか!という感じだが、日本初演のこの作品において、これ以上のキャスティングはないような気がした。
しかも、驚くべきことに主演のこの2人はシングルキャスト。
二人とも、難曲が次から次へと紡ぎだされる中、フルスロットルで歌い続ける、それをシングルキャストで、地方公演までやるって・・・・
すごすぎる。
テーマは「運命」「不滅の恋人」というのが、とても伝わってくる名コンビ。
下手に演じると安っぽくなりそうなテーマも、この二人なら腑に落ちる感じ。
魅力的な登場人物
今回一番注目したのが、ベートーヴェンの弟カスパール。
東京では、海宝直人と小野田龍之介がWキャスト。
ちょっと痩せて(?)さらに垢ぬけた感じの海宝直人の好感度ったら半端なかったし、小野田龍之介のイケメンぶりにはうっとりさせられた。
小野田龍之介、あの意地悪なトランチブルおばちゃんと同一人物とは全く思えないほどの好青年ぶり。
二人とも、特に高音がきれいに伸びるのも心地よかった。
フランツの妹ベッティーナに木下晴香、これもドンピシャではまり役だった。
視線をそらして交わそうとするベートーヴェンにまとわりついてしゃべり続けるベッティーナ、あれだけちょこちょこ動きながら難しそうな曲を一音も外さず歌い続けられるのはさすが。
また、優しそうなイメージがあった佐藤隆紀と、タイプの異なる坂元健児が、モラハラ夫フランツ役。
私が見た回では坂元健児が調子が悪かったのか、何度か声がひっくり返っていて残念。地方公演では調子のいいサケケンが見れるかな?
佐藤隆紀のフランツは、とにかく怖くてすごくよかった。
特に、フランツとバプティストが商談をしているあのシーンが一番怖い。
ヨハンナの実咲凜音はとにかく美しい。
ただ、歌えて踊れる彼女に、見せ場が少なかったのはなんだかもったいない気がした。
バプティストの渡辺大輔は、歌も演技もすごくいいのに、なんだか全体の中では地味な印象だった。なぜだろう?もっとスパイシーにできると思うんだけどな。
キンスキー公の吉野圭吾も、悪くはないのだが、今回は控えめ?な気がした。
アンサンブル
1幕最初のシーンが、ベートーヴェンの葬儀のシーン。
最初のソロは、圧倒的歌唱力の高い中西勝之。
これで最初からガッツリ物語に引き込まれることができた。
ベートーヴェンの周りには、音楽の精?のようなダンサーが舞い踊るのだが、振りはとてもよかったと思う。
ただ、衣装とメイクはなぜあれなんだろう?
個人的には、あの白をベースにしたモノクロの衣装と、ピエロ風のメイクが、どうしても好きになれず・・・・
ちなみに、フランツとバプティストの商談シーンでバックで踊るスーツ姿の男性群舞は、とても素敵だった。
キャストボード
1階のキャストボードはアクリル板で覆われていたため、写真を撮ろうとすると周りのものやほかの光が反射して映り込んでしまいきれいに取れないので、グランドサークル階のキャストボードを撮影した。
-
運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
続きを見る
作品情報
キャストなど
キャスト
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:井上芳雄
アントニー・ブレンターノ:花總まり
カスパール・ヴァン・ベートーヴェン(Wキャスト):海宝直人(*東京公演のみ)、小野田龍之介
ベッティーナ・ブレンターノ:木下晴香
バプティスト・フィッツオーク:渡辺大輔
ヨハンナ・ベートーヴェン:実咲凜音
フェルディナント・キンスキー公:吉野圭吾
フランツ・ブレンターノ(Wキャスト):佐藤隆紀、坂元健児
家塚敦子/中山 昇/中西勝之
岡崎大樹/鈴木凌平/福永悠二
樺島麻美/松島 蘭/横山博子
荒木啓佑/川島大典/後藤晋彦/田中秀哉
俵 和也/村井成仁/横沢健司
彩橋みゆ/池谷祐子/石原絵理/大月さゆ
島田 彩/原 広実/樋口 綾/吉田萌美
ショルシュ(Wキャスト):西田理人、三木治人
マクセ(トリプルキャスト):井澤美遥、長尾侑南、若杉葉奈
演出・音楽・振付等
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:ギル・メーメルト
翻訳:増渕裕子
訳詞:竜 真知子
音楽監督:甲斐正人
振付:ムン・ソンウ
演出補:チョ・ヒョンソク
セット/映像デザインディレクター:オ・ピリョン
照明:日下靖順
音響:山本浩一
衣裳:生澤美子
ヘアメイク:富岡克之(スタジオAD)
映像:栗山聡之
音楽監督助手:竹内 聡、宇賀神典子
歌唱指導:林 アキラ、やまぐちあきこ、安部誠司
舞台監督:廣田 進
演出助手:末永陽一
演出助手補佐:鄭 光誠
振付助手:ヨン・ボラ
指揮:上垣 聡
稽古ピアノ:國井雅美、宇賀村直佳、森本夏生、石川花蓮
オーケストラ:東宝ミュージック(株)、(株)ダット・ミュージック
アシスタント・プロデューサー:鳥澤勇人
プロデューサー:岡本義次、今村眞治、田中利尚
宣伝フォトグラファー:HIRO KIMURA
宣伝アートディレクション:服部浩臣(COM Works)
製作:東宝