2024年上演

【2024年】どこまでもエレガントな道化『音楽劇 ライムライト』

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前回『音楽劇 ライムライト』を見たのが、私の手帳によると2019年4月20日土曜日のマチネだった。

2019年公演は、カルヴェロは今年と同じく石丸幹二だが、テリーが実咲凛音、ネヴィルが矢崎広だった。

映画のほうを全く知らずして見て「こんな作品だったのか!」と軽い衝撃を受けたのが5年前。

あれから早くも5年の月日がたっていたとは、そちらのほうも驚きだ。

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

『音楽劇 ライムライト』

会場

シアタークリエ

観劇日

2024/8/11(Sun)マチネ
2024/8/17(Sat)ソワレ ←前楽

哀しみの中にこそ

今回はストーリーを知った上での観劇。

老い、老いて失われるもの、そうした哀しみ・・・

でも、どういうわけか、そうした哀しみの中に、どこか安堵感というか、もうこれで終わりにできるのだ、という幸福感が感じ取れるから不思議だ。

老いるというのは、少し寂しいけれど、なんだか幸せなことなのかもしれない。

落ちぶれた道化師カルヴェロは、石丸幹二が演じるせいか、どこまでいってもエレガント。

そりゃ、若いテリーが惚れるのも納得、という感じ。

歳を取って落ちぶれてアル中になっていようとも、人としての品性だけは失っていない、だから若い女性からも求愛される。

また、保坂知寿演じるオルソップの愛情深いことといったら・・・

一つ一つの所作から、深い愛がにじみ出ているのはさすが。

ちなみに、若かりし日のオルソップが踊る「イワシダンス」は、とてもキュートだった。

謎~ヒロインの気持ち

ヒロイン、テリーの心理がとても謎。

カルヴェロやネヴィルに「それは愛ではなくて哀れみだ」といわれても、なおかつ力強く「愛している」と言い放つテリー。

同じ女性でありながら、このあたりの心情がいまひとつわからなかった。

本当にカルヴェロを愛していたのか、あるいは愛していると力強く思い込んでいたのか。

本当に謎である。

朝月希和は、写真で見るとそうでもないのだけれど、舞台で見ると、瞳がとても大きく見える。

そう、つぶらな瞳、という感じ。

あの瞳でまっすぐに力強く「愛しています」と言うものだから、一体どういうことなのだろう、と謎に包まれてしまうのである。

その他いろいろ

初演から(私初演の2015年版はみてないのだが)続投のキャストは、植本純米、吉野圭吾、舞城のどか。

舞城のどかは、あらためてプロフィールを見て驚いた。

しなやかな肌と踊りを見せていたので、もうちょっと若いかと思っていたら、なんと1977年生まれ!

これは私の持論なのだが、ダンス系の女性は、美貌を維持しやすい。

あの70代でY字バランスができる由美かおるだって、元はバレエダンサーだ。

ダンサーは自分の体と向き合う時間が長いから、その分、体の声を聴いて必要なケアをする、ということができるんじゃないか、というのが私の推測。

今回、たぶん初見だったのが、中川 賢。

全編通して、関節が普通の人間の倍あるんじゃないかと思うようなしなやかな動きに目を奪われた。

また、太田基裕のネヴィルの軍服の「似合わなさ」が素晴らしいと思った。

そりゃそうでしょう。

身体の弱い繊細な音楽家が、徴兵されて軍隊に入ったのだから、その軍服は似合わなくて当然。

それにしてもおかしなこと。音楽家のような場違いな人間を軍隊に入れてまで戦わなくてはならない戦争って、いったいなんなんだろう。

私が書いています
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姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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作品情報

キャストなど

キャスト

カルヴェロ:石丸幹二
テリー:朝月希和
ネヴィル:太田基裕
ボダリンク:植本純米
ポスタント:吉野圭吾
オルソップ夫人:保坂知寿
バレエダンサー:中川 賢
バレエダンサー:舞城のどか

ヴァイオリン:岸 倫仔
リード:坂川 諄
アコーディオン:佐藤史朗
ピアノ:荻野清子

演出・音楽・振付等

原作・音楽:チャールズ・チャップリン
上演台本:大野裕之
音楽・編曲:荻野清子
演出:荻田浩一
美術:伊藤雅子
照明:勝柴次朗
音響:大野美由紀
振付:木下菜津子
衣裳:朝月真次郎
ヘアメイク:林 みゆき
稽古ピアノ:野間美希
歌唱指導:満田恵子
演出助手:豊田めぐみ
舞台監督:中西輝彦/仲里 良
制作助手:中尾 遥
制作:清水光砂
アシスタントプロデューサー:小林亜沙美
プロデューサー:仁平知世
宣伝美術:永瀬祐一
宣伝写真:西村 淳

製作:東宝

最終更新日 2024年8月18日

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