シアタークリエという小さめのハコで見るのにピッタリな作品。
とくに前から3列目のかぶりつきの席で見ていたので、高梨家を覗き見している気分で観劇できたのは楽しかった。
"新しい家族の形"というキャッチコピーを見て、どんな新しい家族の形か?と思ったのだが、個人的にはそれほど衝撃的なものでもなく、まあ、珍しいけれどそういうのもあるかもね、とすんなり腑に落ちる内容だった。
Contents
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『家族モドキ』
会場
シアタークリエ
観劇日
2023/8/10(Thr) ソワレ
4人のキャストを見て勝手に思い込んでいたこと
山口祐一郎に浦井健治、大塚千弘、保坂知寿の4人で家族の物語をやるというので、山口祐一郎と保坂知寿が夫婦で、あとの二人が兄弟(姉弟?兄妹?)かな、とか、キャストの名字を見て、山口祐一郎の娘が大塚千弘で、保坂知寿の息子が浦井健治かな、とか勝手に想像していた。
大塚千弘については、Twitterかなにかで山口祐一郎とは初めて親子になる、という趣旨の投稿をしていたので、それは間違いなかっただろう。
舞台が始まってみたら、あらびっくり、山口祐一郎と大塚千弘は確かに親子役だったけれど、浦井健治と保坂知寿が夫婦役だった!(10歳以上年の離れた姉さん女房という設定ね)
高梨次郎の変わっていく様子が面白かった
山口祐一郎演じる高梨次郎は、かなり時代錯誤なオヤジとして描かれている。
モダンなルックスの祐さまには若干似つかわしくはないのだが、高梨次郎は、自分が男性だというだけで、そして年長であるというだけで、無条件で皆より偉いと思っているタイプの男だ。
そう!ただ年長だ、というだけで自分が偉いと思っているジジィ、書いているだけでムカつくのだが、これが祐様が演じるジジィとなると、なんか可愛げがあって許したくなるのも不思議。
そうした態度は、特に娘世代には受け入れられないのも世の常、娘の民子からは挨拶もしてもらえないほど嫌われている。
娘が妊娠、相手の男が既婚者、さらにその妻が妊娠した娘をかいがいしく世話をする・・・という構図を目の当たりにして大混乱する次郎、ところが徐々にそうした「(彼にとって)あり得ない」状況も理解し受け入れ、最後は、園江の秘密を打ち明けられる唯一の人にまでなった。
ひとつひとつはわずかな変化なのだが、気づいたら「あれ!?」というぐらい変わっていた。観客席にいながらなにかマジックでも見せられていた気分だ。
最後に、木下渉に「あなたには陰、陰影がない」というような主旨のことを言う。これもなかなか意味深だった。
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運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
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作品情報
キャストなど
キャスト
高梨次郎:山口祐一郎
木下 渉:浦井健治
高梨民子:大塚千弘
木下園江:保坂知寿
演出・音楽・振付等
脚本:田渕久美子
演出:山田和也
音楽:江草啓太
美術:伊藤雅子
照明:服部 基
音響:山本浩一
衣裳:前田文子
ヘアメイク:川端恵理子(スタジオAD)
舞台監督:山本圭太
演出助手:末永陽一
制作:いとうちえ
プロデューサー:服部優希/渡邊 隆
宣伝美術:TOHOマーケティング
宣伝写真:村尾昌美
宣伝衣裳:風戸ますみ(東宝舞台)
宣伝ヘアメイク:川端恵理子(スタジオAD)
最終更新日 2023年8月12日