2023/1/7の初日を観劇した『チェーザレ 破壊の創造者』につづいて、新年2回目の観劇が、根本宗子の『宝飾時計』。
こちらも初日に観劇。
根本宗子が高畑充希のために書いた作品、らしい。
だからなのか、元子役だった女性が30歳になってアレコレ思う、という設定。
よってヒロインは、そのまま高畑充希なのだけれど、根本宗子の独特な世界観で、不思議な感覚のする作品だった。
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『宝飾時計』
会場
東京芸術劇場プレイハウス
観劇日
2023/1/9(Mon) ソワレ 初日!
独特の世界観、そしてアップテンポ
物語の展開としては時間はゆっくりながれているはずなのに、舞台の上の掛け合いはとにかくアップテンポで非常に小気味よく感じられた。
出演者、全員、本当に間合いが絶妙。
プロだからあたりまえっちゃあたりまえなのだが、「うまいなー」と言いたくなってしまった。(上から目線みたいで申し訳ない。)
特に、今回初見だった伊藤万理華に目が行った。
プロフィールを調べたところ、1996年2月生まれの26歳とのことだが、最初舞台に出てきたときは、本物の未成年に見えた。
生意気なお嬢様(だけれどのちに失脚して引きこもりになる)を、どこか楽しんで演じているふうなのも非常に好感が持てたし、観客を引き付けて離さないところがすごい。
また、『日本人のへそ』以来、1年10か月ぶりぐらいで見る小池栄子も、まー、べらべらべらべら機関銃のようにしゃべるしゃべる。
まるで音楽を聴いているかの如く、小気味がいい。
気っ風のいい姉さんの役が本当によく似合う。
作品としては若干難解に思えるところもあるが、それほどわかりにくいメタファというわけでもない。
あー、そういうことだよね、とうなづける感じ。
椎名林檎の曲「青春の続き」
この作品はストレートプレイであり、ミュージカルではない。
しかし、主人公ゆりか(高畑充希)が、最後の最後に1曲歌うシーンが差し込まれているのだ。
正直、このシーンはどうかな?と思った。
Twitterなんかをみているとこのシーンについては称賛の声が多いように感じられたが、「青春の続き」というタイトルのこの歌を、最後に主人公が歌う必要があったのか?というのが、私にはよくわからなかった。
高畑充希の歌は悪くないと思うが、かといって抜群の歌唱力というわけでもない。
だからこそ、余計中途半端に感じられてしまったのだ。
芝居に徹してもらったほうがすがすがしかったのにな、と。
たまたま、私が椎名林檎の世界観がわからないから「???」と感じただけ、なのかもしれないが、最初から最後までアップテンポの小気味の良い掛け合いに満足していただけに、最後で「あれ?」と興が冷めてしまって残念だった。
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運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
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作品情報
キャストなど
キャスト
高畑充希、成田凌、小池栄子、伊藤万理華、池津祥子、後藤剛範、小日向星一、八十田勇一
〈ミュージシャン〉
バイオリン:磯部舞子
ヴィオラ:島岡万理子
チェロ:松尾佳奈
ピアノ:大谷愛
演出・音楽・振付等
作・演出:根本宗子
美術:池田ともゆき
照明:佐藤 啓
音響:藤森直樹
衣裳:神田恵介(keisuke kanda)
ヘアメイク:二宮ミハル
演出助手:相田剛志
舞台監督:幸光順平、鈴木 拓
テーマ曲:「青春の続き」/高畑充希 作詞作編曲:椎名林檎
宣伝衣裳:神田恵介(keisuke kanda)
衣裳協力:DOUBLE MAISON(やまと) familiar BEAMS
最終更新日 2023年1月16日