本作は、韓国ドラマ『39歳』(原題:Thirty-Nine)を原作とする音楽劇。
ドラマ版をもとに、梅田芸術劇場が企画・制作・主催した世界初の舞台化作品で、韓国発の既存ミュージカルを輸入したものではないようだ。
こうして考えると、日々いろんな作品が作られているとしみじみ思う。
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『39歳』
会場
IMM THEATER
観劇日
2026/9/10(Thr)マチネ
39歳という年齢のリアル
現代の39歳とは、少し前でいう29歳に近い年齢なのかもしれない。
青年期を終え、中年という言葉が視界に入り始める一方で、まだ何者かになりきったとも言い切れない。
人生の輪郭が見えてきたからこそ、仕事も恋愛も友情も、これでよいのかと立ち止まる。本作が描いているのは、まさにその揺れである。
ストーリーは、高校時代から仲のよい3人の女性が、それぞれの生き方を模索していく物語だった。
友情、恋愛、仕事、家族、病、将来への不安。
それらを背負いながら、それでも一緒に笑い、ぶつかり、支え合う姿には、そうか、これは青春ストーリーなのか、と思ったぐらいだ。
やっぱり現代の30代は、青年期!
3人の空気感が生む説得力
朝夏まなと、七海ひろき、夢咲ねねというキャスティングが非常によかった。
3人が並んだとき、ただ仲がよさそうに見えるだけではなく、長い時間を共有してきた人たち特有の距離感があった。
遠慮なく言い合えるのに、相手の痛みには無理に踏み込まない。その親密さと節度のバランスが、リアルな39歳の友人関係として立ち上がっているように感じたからだ。
男性キャストと周辺人物の厚み
彼女たちのパートナーとなる男性キャストもまた素晴らしい。
特にパク・ヒョンジュンを演じた高橋健介は、これまでヒール役の印象が続いていたぶん、好青年を演じている姿に「こっちのほうが全然いいじゃん!」と思わされた。
まっすぐで、少し不器用で、それでも相手を大切にしようとする人物像が自然で、役の好感度がそのまま舞台全体の温度をやわらかくして、とても素敵だった。
シニア組が舞台を引き締める
さらに、シニア組が代わる代わるさまざまな役を演じる構成も面白い。
場面ごとに空気を変えながら、作品全体をほどよく引き締めている。
さすがは実力派だ。
実は幕が上がるまで、あめくみちこや小島聖が出演していることを知らずにいた。
その存在感に気づいた瞬間、思いがけず得をしたような気分になった。
IMM THEATERの印象
IMM THEATERを訪れたのは今回が初めてである。
駅から近く、立地のよさはかなり魅力的だった。
一方で、お笑い用に作られた劇場ということもあり、館内のポスターなどはお笑い色が強く、観劇前の高揚感という意味では少し不思議な感覚もあった。
また、ホワイエらしいホワイエがほとんどなく、通路が中心のつくりだったため、劇場で少しホッとくつろぎたい自分にとっては肩透かしでもあった。
ただし客席はゆったりしており、座ってからの快適さはかなり高い劇場である。
-
-
運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
続きを見る
キャストボード
作品情報
キャストなど
キャスト
チャ・ミジョ:朝夏まなと
チョン・チャニョン:七海ひろき
チャン・ジュヒ:夢咲ねね
キム・ソヌ:相葉裕樹
キム・ジンソク:前田一世
パク・ヒョンジュン:高橋健介
小島 聖
あめくみちこ
佐戸井けん太
篠山輝信
伊島 青
子役/Wキャスト:谷 慶人、安居奏太朗、杉山穂乃果、内藤菫子、丸山果里菜、柳生有咲
演出・音楽・振付等
原作:SLL ユ・ヨンア
脚本:坂口理子
作曲・編曲:キム・ヒョウン
作詞:長田育恵
演出:小山ゆうな
音楽監督:門司 肇
美術:乘峯雅寛
照明:勝柴次朗
音響:佐藤日出夫
映像:石原澄礼
ステージング:田井中智子
衣装:伊藤佐智子
ヘアメイク:谷口ユリエ
歌唱指導:ちあきしん
音楽助手・稽古ピアノ:透明図鑑
音楽コーディネート:新音楽協会
演出助手:陶山浩乃
舞台監督:仲里 良
宣伝美術 アートディレクション:タキ加奈子
宣伝美術 写真:伊藤元気
宣伝衣装:伊藤佐智子
宣伝ヘアメイク:谷口ユリエ
編集:山田浩子
企画・制作・主催:梅田芸術劇場

