映画は見たことがあった。
ミュージカル映画としてはなかなか面白い作品だと思ったものの、ストーリーにはあまり共感ができないため、観劇は見合わせようと思ったものの、キャストがスター揃いだったので、とりあえず見ることにした作品。
また、私とって、EXシアター有明初体験でもあった。
なお、Wキャストの観劇状況は以下の通り。
エヴァン・ハンセン:柿澤勇人/吉沢 亮をコンプリート
ハイディ・ハンセン:安蘭けい/堀内敬子をコンプリート
ゾーイ・マーフィー:木下晴香/松岡茉優をコンプリート
コナー・マーフィー:立石俊樹/廣瀬友祐をコンプリート
ジャレッド:上口耕平で観劇。(須賀健太見逃し)
アラナ:宮澤佐江で観劇。(高野菜々見逃し)
シンシア・マーフィー:瀬奈じゅんで観劇。(マルシア見逃し)
ラリー・マーフィー:石井一孝/新納慎也をコンプリート
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『ディア・エヴァン・ハンセン』
会場
EXシアター有明
観劇日
2026/8/8(Sat)マチネ
2026/8/22(Sat)マチネ
キャスティングの妙が光る良作
結論から言うと、かなり良かった。
作品そのものへの共感度には少し距離があったものの、舞台としての完成度、とくにキャスティングの説得力が強く印象に残った。
エヴァンを演じる柿澤勇人は、陰キャ特有の細かな所作や間合いを丁寧に積み重ね、観客に「こういう人がいる」と思わせるリアリティを生んでいた。
また、ジャレッド役の上口耕平は、癖の強いキャラクターを本当に楽しそうに演じており、作品の空気を軽やかに動かす存在だった。
ほかのキャストも総じて役に合っており、配役の良さが作品全体を支えていたと言える。
違和感:劇場サイズとの相性
一方で、観劇中に違和感を覚えたのも確かである。
その正体を考えていたところ、SNSで目にした「これはクリエのような小劇場で上演したほうがよかったのではないか」という意見に腑に落ちるものがあった。
本作は、10代の若者の揺らぎだけでなく、こじらせてしまった大人たちの心情も細かく描く作品である。
大きな劇場で受け取るよりも、より小ぶりな空間で、表情や息遣いまで近く感じながら観るほうが、作品の繊細さが伝わりやすかったのではないかと感じた。
とくに印象的だったのは、アンサンブルダンサーが登場人物たちの心象風景を踊りで表現していた点である。
あの身体表現も、遠くから引きで眺めるより、ダンサーの息遣いが聞こえそうな近さで観たほうが、人物の内面の揺れや痛みまでより鮮明に伝わったのではないかと思う。
歌唱力が問われる難しさ
楽曲については、かなり難しそうだと感じた。
安蘭けいや堀内敬子のように歌唱力に定評のある俳優が歌うから成立しているが、歌える俳優を適切に配置しなければ、大きな事故につながりかねない作品でもある。
音楽の魅力はある一方で、歌唱の難度が高く、キャストの力量に強く依存する作品であることも印象に残った。
木下晴香の贅沢な使い方
個人的には、ゾーイを演じた木下晴香には「役不足」を感じた。
ここで言う役不足とは、彼女の実力や器の大きさに比べて、役そのものが物足りないという意味である。
「役不足」は、日本人でも意味を取り違えて使っている人が少なくない言葉である。
「その人には荷が重い」「力量が足りない」という意味で使っている日本人も多いが、本来はその逆で、「本人の力量に対して、与えられた役目が軽すぎる」「実力に比べて役が物足りない」という意味である。
したがって、ここでの『役不足』は、木下晴香の力不足ではなく、むしろ彼女の歌唱力や表現力をもっと生かせる役で見たかった、という意味で使っている。
もちろんゾーイは作品における重要なキャラクターであり、物語の核にも関わる存在だ。
しかし、歌える木下晴香の見せ場が圧倒的に少ないことは、観客として率直に残念であった。
もっと彼女の歌と芝居を堪能できる場面があれば、作品への満足度はさらに高まったはずである。
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運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
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キャストボード・その他写真
作品情報
キャストなど
キャスト
エヴァン・ハンセン(Wキャスト):柿澤勇人/吉沢 亮
ハイディ・ハンセン(Wキャスト):安蘭けい/堀内敬子
ゾーイ・マーフィー(Wキャスト):木下晴香/松岡茉優
コナー・マーフィー(Wキャスト):立石俊樹/廣瀬友祐
ジャレッド(Wキャスト):上口耕平/須賀健太
アラナ(Wキャスト):高野菜々/宮澤佐江
シンシア・マーフィー(Wキャスト):瀬奈じゅん/マルシア
ラリー・マーフィー(Wキャスト):石井一孝/新納慎也
尾関晃輔
澤村 亮
瀬崎宙乃
十川大希
福島玖宇也
藤田実里
渡邉 南
演出・音楽・振付等
脚本:スティーヴン・レヴェンソン
作詞・作曲:ベンジ・パセック/ジャスティン・ポール
翻訳・演出:小山ゆうな
訳詞:高橋知伽江
音楽監督・歌唱指導:清水恵介
振付・ステージング:松田尚子
美術:乘峯雅寛
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
映像:上田大樹
衣装:伊藤佐智子
ヘアメイク:鎌田直樹
音楽監督助手・稽古ピアノ:浅野直子
演出助手:河合範子
舞台監督:幸光順平
主催:ホリプロ/テレビ朝日
協賛:株式会社みずほフィナンシャルグループ
企画制作:ホリプロ



