ダブル・トリプル・クワトロキャストの観劇状況は以下の通り。
メリー・ポピンズ:濱田めぐみ 、 笹本玲奈 、 朝夏まなとをコンプリート
バート:大貫勇輔 、 小野田龍之介 、 上川一哉をコンプリート
ジョージ・バンクス:小西遼生 、 福士誠治をコンプリート
ウィニフレッド・バンクス:木村花代 、 知念里奈をコンプリート
バードウーマン/ミス・アンドリュー:島田歌穂 、 樹里咲穂をコンプリート
ブーム提督/頭取:コング桑田 、 丹宗立峰をコンプリート
ミセス・ブリル:浦嶋りんこ 、久保田磨希をコンプリート
ロバートソン・アイ:石川新太 、 DIONをコンプリート
ジェーン・バンクス:市川桃子 、久住星空、辻乃之花、室岡星愛をコンプリート
マイケル・バンクス:張浩一 、中西縁 、中込佑玖、 深澤統をコンプリート
Contents
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『メリー・ポピンズ』
会場
東急シアターオーブ
観劇日
2026/3/31(Tue)ソワレ
2026/4/11(Sat)ソワレ
2026/4/16(Thr)ソワレ
2026/4/26(Sun)マチネ
2026/5/3(Sun)マチネ
自分でも思った、「え?そこ?」と
今回の再演で、もっとも腑に落ちたのは・・・
「ああ、この話って、エリート社畜が給料を4倍にしてワークライフバランスを実現した話なんだー!」
ということだった。
今回のジョージは、一気に若返って、小西遼生 と福士誠治のWキャスト。
本来のやんちゃな気質を教育でコントロールされ封印されてしまった感じのある小西ジョージ、それと、生来の不器用さが際立つ福士ジョージだった。
この作品で、ジョージ・バンクスにこれほどまでに感情移入するとは思わなかった。
本来の物語の意図とは異なるかもしれないが、今の自分にはこの解釈が非常にしっくりときた。
家庭を顧みなかった男が、手にしているものの大切さを思い出し、かといってキャリアもあきらめず、むしろ給料爆上げしたうえで、「これからは家庭を大事にするので、家族との時間もたっぷりとりまーす!」と上司に宣言。
なんて理想的なんでしょう!
それがまさに、これからの時代の働き方なのだろう。(と勝手に思っている)
盤石のキャスト陣が魅せる三者三様のキャラクター
今回のトリプルキャスト編成も見どころが多かった。
濱田メリーは、年齢的にも今回が最後かもしれないと感じ、5回の観劇中、3回を濱田メリーにした。
まじめで堅物、そしてクールな濱田メリーを見て、彼女が体現する「完璧」の裏側にある深い慈愛を感じずにはいられなかった。
単に厳しい教育係なのではなく、規律の先にしか存在しない自由や、自分を律することで得られる強さをバンクス家に、そして客席の私たちに教えてくれているようだった。
その隙のない佇まいがあるからこそ、ふとした瞬間に見せる僅かな微笑みが、なによりも尊い。
今回の彼女のメリーからは、一人の人間(いや、そもそもメリーは人間じゃないのかもしれないけど)としての円熟味と、役を完全に掌握した者にしか出せない凄みが漂っていた。
もしこれが本当に濱田メリーのラストだとしたら、あまりに惜しい。
しかし、この毅然とした「完璧なメリー」の姿こそ、私の記憶に永遠に刻まれるべき完成形だったのだと、今は確信している。
そして、次回はぜひバードウーマン/ミス・アンドリューとして戻ってきてほしい・・・という気もしている。
新キャストの朝夏まなとのメリーは、まるで本当に異世界からやってきた魔法使いのような、不思議な浮遊感と透明感のある存在だった。
なにせ手足が長いから、浮世感があるんだよね!
一方、笹本玲奈のメリーは、ほのかに体育会系のノリすら感じさせるキビキビとした潔い身のこなしが印象的で、あれ?前回こんな感じだったっけ?と思った。もしかしたらちょっとテイストを変えたのかもしれない。
バート役では、上川一哉が華と色気を放ち、大貫勇輔はスタイリッシュ、小野田龍之介は抜群の安定感と包容力を見せてくれた。
脇を固めるキャストも盤石だ。
島田歌穂のバードウーマンにはなぜか毎回涙腺を緩まされた。
ミス・アンドリューをコミカルに楽しそうに演じていた樹里咲穂だが、そこかしこに「実は優しい人なんじゃ?」と思わせてくれるところも素敵だ。
ウィニフレッドは続投の木村花代と知念里奈。
芯が強くて優しくて品のある木村花代と、少女がそのまま大人になったような可憐な知念里奈、どちらも素敵だった。
子役あっての作品
今回も、子役たちは全員素晴らしかった。
個人的な好みでいうと、張浩一、久住星空が印象に残った。
張浩一のマイケルは、出てきた瞬間から、あのふてぶてしい立ち姿が「クソガキ」そのもの。
黙ってセリフを言わないうちから、存在感を示していたのはすごい。
久住星空のジェーンは、4人のジェーンの中では一番大きかった?ような気がする。
滑舌がきれいで、声もきれい。
非常に大人びた印象だった。
彼らが見せる成長の物語が、ジョージの「再生」という視点と重なり、より一層深みのある観劇体験となった。
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運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
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キャストボードと写真
その他メモ
メリー・ポピンズ上演中に親族が天に旅立った。
2026/4/16(Thr)ソワレが終わって自宅に帰り、軽い夕食を食べ、「さて、お風呂に入ろう」と思った瞬間、電話が鳴った。
親族が危篤。
私たちは都内在住、親族の入院する病院は近隣の県。
時間は23時過ぎ、終電は間に合わない。
レンタカーを飛ばして病院についたのが0:45過ぎ。
0:15ぐらいに息を引き取ったらしいので、30分遅かったことになる。
翌週には葬儀。
2026/4/26(Sun)マチネのチケットは、おけぴで売ることも考えたが、一緒に観劇する予定だった家族が「予定通り、見に行きたい」というので、売らずに一緒に観劇をした。
葬儀を終えたばかりの頭で観る『メリー・ポピンズ』は、今までとはすこしだけ違う響きを持って迫ってきた。
劇中、バードウーマンが歌う「 feed the birds(鳩に餌を)」を聴きながら、なぜか自然と涙が溢れた。
以前から好きなシーンではあったが、今回はその一音一音が、旅立った親族の面影と重なり、魂に直接触れてくるような感覚があったのだ。
私のこの気持ちは何だろうか。
不謹慎かもしれないが、葬儀の喧騒を抜けて劇場という別世界に身を置けることへの、ささやかな「観劇できる幸せ」を噛み締めていたのかもしれない。
あるいは、物語の中で風に乗って去っていくメリーの姿を、どこかで親族の旅立ちと重ね合わせ、自分なりに「さよなら」を告げようとしていたのかもしれない。
この先、何年経っても『メリー・ポピンズ』の楽曲を耳にするたび、私は2026年のこの春の夜の風と、静かな病室の空気、そして劇場の座席の感触を思い出すだろう。
この作品と、天に旅立った親族との記憶が、もう二度と解けないほど強く紐付けられたみたいだ。
作品情報
キャストなど
キャスト
メリー・ポピンズ … 濱田めぐみ / 笹本玲奈 / 朝夏まなと
バート … 大貫勇輔 / 小野田龍之介 / 上川一哉
ジョージ・バンクス … 小西遼生 / 福士誠治
ウィニフレッド・バンクス … 木村花代 / 知念里奈
バードウーマン/ミス・アンドリュー … 島田歌穂 / 樹里咲穂
ブーム提督/頭取 … コング桑田 / 丹宗立峰 (2026/4/4更新、安崎求が降板のため)
ミセス・ブリル … 浦嶋りんこ / 久保田磨希
ロバートソン・アイ … 石川新太 / DION
ジェーン・バンクス … 市川桃子 / 久住星空 / 辻乃之花 / 室岡星愛 (五十音順)
マイケル・バンクス … 張浩一 / 中西縁 / 中込佑玖 / 深澤統 (五十音順)
ノース・ブルック … 石川剛
ミセス・コリー … 小島亜莉沙
ケイティ・ナナ … 福満美帆
ヴォン・ハスラー … 小林遼介
ネーレウス … 髙橋慈生
ミス・ラーク … 吉田玲菜
ヴァレンタイン … 東間一貴
スウィング … 伊藤稚菜、工藤彩、齋藤信吾、高瀬育海、髙田実那、高山裕生、水島渓
岩下貴史、小形さくら、熊澤沙穂、今野晶乃、咲良、清水錬、白山博基、照井裕隆、中原彩月、長澤仙明、西村実莉、廣瀬喜一、MAOTO、吉岡慈夢 (五十音順)
演出・音楽・振付等
原案:P.L.トラバース
オリジナル音楽・歌詞:リチャード・M・シャーマン、ロバート・B・シャーマン
脚本:ジュリアン・フェローズ
新規楽曲・追加歌詞&音楽:ジョージ・スタイルズ、アンソニー・ドリュー
共同製作:キャメロン・マッキントッシュ
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
最終更新日 2026年5月3日










