2025年上演

【2025年】官能の戦場『マタ・ハリ』

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日本では、再再演ということで、3回目の公演となったが、今回もまさしく「官能の戦場」ともいうべき緊張感のある舞台で、素晴らしかった。

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

『マタ・ハリ』

会場

東京建物Brilliaホール

観劇日

2025/10/2(Thr)ソワレ
2025/10/11(Sat)マチネ

官能的な男たち

今回初登場となるのは、アルマン役の甲斐翔真と、ラドゥー役の廣瀬友祐。

両名とも、ステージでは官能の火花が飛び交い、観る者の感覚を鮮烈に刺激する。

任務そっちのけでマタハリに心を奪われるアルマン。その“抜け感”が甲斐翔真の持ち味と絶妙に重なり、思わず惹き込まれる魅力的な人物像を生み出していた。

一方、どこから見ても隙のない完璧な色男・廣瀬友祐のラドゥー。敵であるはずなのに、こんな男に好かれるならそれもまた本望、そう思わせる説得力があった。

観客としてみている私としては、アドレナリン出っぱなし、という状態であった。

また、初演から当作品にかかわっている加藤和樹は、今回もアルマンとラドゥーの二役。(※2018年初演時もアルマンとラドゥーの二役、2021年再演時はラドゥーのみ)

どちらも甲乙つけがたいが、私としてはやっぱり加藤和樹はラドゥーよりアルマンを演じているときのほうが好きだ。

なぜか?

任務を投げ出して愛に生きる男か、苦悶の末に最後は任務に従う男か、どちらかというと、なんとなく加藤和樹は前者のような気がするからだ。

また、アルマンとラドゥがぶつかり合う男声ナンバーは、嫉妬と官能が絡み合い、あまりの美しさに鳥肌が立った。

ヴォン・ビッシング役は今回、神尾佑。ダンスナンバーでは、動きに硬さがあったのはダンス経験が少ないからだろうか?それが妙に愛らしくもあり、結果的に軍人らしい雰囲気を醸していたのが印象的だった。

アンナから見える世界

アンナの視線が教えてくれることーー

この作品でアンナは、マタハリの衣装係として舞台裏から彼女を支える存在。自らが表に立つのではなく、マタハリという強く美しい女性を通して世界を見つめる。その立ち位置が、アンナのソロ「マタハリを通してみる世界は素敵」という歌詞に象徴されている。

こんな生き方もあるんだ。。。。

今回も、春風ひとみが素晴らしかった。

二人のマタハリ

今回も、柚希礼音と愛希れいかのWキャストだった。

初演時(2018年)は柚希礼音のシングルキャストだったが、再演時(2021年)に愛希れいかが加わったわけだが、当初、キャストが発表されたときには、愛希れいかだと華奢すぎないか?と思ったものだ。

華奢な体では、エロスの表現が難しいのでは?と思っていたのだ。

ところが、それは単なる思い込みだった。

柳のようにしなる華奢なマタハリはこの上なく甘美な存在だった。

初演からこの役を演じ続けた柚希礼音にとっては、マタハリはおそらく代表作だろう。

私にとっては彼女のイメージは、女豹である。

キャストボード

2025/10/2(Thr)ソワレ

2025/10/11(Sat)マチネ

写真

2025/10/2(Thr)ソワレは写真撮影可能だったので、上の階から撮影してみた。

この日は、Frank Wildhornのあいさつあり。


作品情報

キャストなど

キャスト

マタ・ハリ:柚希礼音、愛希れいか(Wキャスト)
ラドゥー大佐:加藤和樹、廣瀬友祐(Wキャスト)
アルマン:加藤和樹、甲斐翔真(Wキャスト)
ヴォン・ビッシング:神尾佑
アンナ:春風ひとみ

パンルヴェ:中山昇
ピエール:長江崚行
キャサリン役:青山郁代
コリフェ(ファーストダンサー):三井聡

井口大地/石井雅登/尾川詩帆/尾関晃輔/伽藍琳/木暮真一郎/坂口杏奈/佐々木淳平/高倉理子/花陽みく/晴音アキ/福本鴻介/森山大輔/山田美貴

スウィング
神山彬子/木村匠

演出・音楽・振付等

Book by:Ivan Menchell
Music by:Frank Wildhorn
Lyrics by:Jack Murphy
Original Music Arrangement and Orchestration by:Jason Howland
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子

美術:堀尾幸男
照明:日下靖順
音響:山本浩一
衣裳:十川ヒロコ
ヘアメイク:宮内宏明
振付:加賀谷香
アクション:渥美博
音楽監督:小澤時史
歌唱指導:西野誠、柳本奈都子
稽古ピアノ:國井雅美、吉本まりな
オーケストラコーディネート:ダット・ミュージック
演出助手:伴眞里子
舞台監督:下柳田龍太郎

宣伝美術:永瀬祐一
宣伝写真:設楽光徳
宣伝ヘアメイク:宮内宏明
宣伝スタイリング:十川ヒロコ

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