2024年上演

【2024年】やはり名作!『ロミオとジュリエット』

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ジェラール・プレスギュルヴィックのミュージカル『ロミオとジュリエット』はやはり名作だ。

前回の2021年公演は、私の中ではキャスティングに『はてな』マークがついてしまっていたので、今回はチケット予約の際に、ちょっとためらってしまっていた。

しかし、2024のR&Jはよかったと思う!

ちなみに、今回はチケット予約時にためらっていたこともあり、1回の観劇となった。

なお、今回は、Wキャストは以下のキャストで観劇。

ロミオ(Wキャスト):小関裕太
ジュリエット(Wキャスト):吉柳咲良
ベンヴォーリオ(Wキャスト):内海啓貴
マーキューシオ(Wキャスト):伊藤あさひ
ティボルト(Wキャスト):太田基裕
死のダンサー(Wキャスト):栗山廉(K-BALLET TOKYO)

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

『ロミオとジュリエット』

会場

新国立劇場 中劇場

観劇日

2024/6/9(Sun)ソワレ 東京公演前楽

楽曲と衣装、舞台美術

やはり、ジェラール・プレスギュルヴィックのミュージカル『ロミオとジュリエット』は名作だ。

どのナンバーをとっても、美しい。

一番人気のあるナンバーは「エメ(Aimer)」だと思うが、私個人的にはヴェローナ大公が歌い上げる「ヴェローナ(Verone)」と、ロミオのソロ(+死のダンスソロ)である「僕は怖い」が好き。

今回は、ヴェローナ大公が渡辺大輔。

久しぶりに、渡辺大輔の歌を存分に聞けたのはすごくよかった。
(直近では『ベートーヴェン』の弁護士役で見ているが、たっぷり聞かせるナンバーはなかったので)

ヴェローナ大公のこのナンバーで、「ああ、悲劇が始まる」と思わされるのである。

また、今回のロミオの1人である小関裕太は、無邪気でありながら、第六感として死を感じ取り恐怖におののく繊細なロミオだった。

この「僕は怖い」の表現で、私の中のロミオの評価がかなり変わるのだが、小関裕太はすごくよかった。

歌唱力の物足りなさをカバーできるぐらい、このナンバーの表現がよかった。

同時に、死のダンサー栗山廉が無表情でありながら、ときおりガバッと目を見開く演技がめちゃくちゃ怖かった。

本当に「死」だ。

また、この作品の見所の一つが衣装。

現代、というか、「ヴェローナ」という空想空間でのお話、という感じで、ポップでアヴァンギャルドな衣装が素敵。

舞台美術も、2011年日本初演からどんどん進化しているようで、2024年の今では、映像美術も取り入れられている。

一つ、仮面舞踏会でロミオとジュリエットが出会うシーンが、階段の上からフロアの真ん中に代わっていたのは、個人的には惜しいと感じた。

ふわっと浮いた階段の上での出会いのほうが、「ああ、出会った」という感じがしたんだけれどなぁ。

若者組も大人組もどっちもよかった

2021年は「なぜこのキャスト?」とモヤモヤしたのだが、今回は若者組も大人組も両方よかった。

ジュリエットの吉柳咲良は、今まで見た中で一番子供っぽいジュリエットだ。

Wキャストの奥田いろはがどのように演じたのかはわからないのだが、今回はあえて、「半分子供」みたいなジュリエットの演出がされていたのかな?と感じた。

・・・というのも、Youtube等で吉柳咲良が話しているのを確認すると、落ち着いた割と低めの声で話しているので、あのキャーキャーしたしゃべりは、きっと演出なんだろうな、と思ったというわけ。

まだ大人になり切れてないほんの子供が、命がけで恋をする、というのが、なんとも切ない。

ベンヴォーリオは内海啓貴。

ベンヴォーリオといえば、なんだか「いいこちゃん」のイメージがあるのだが、内海啓貴のベンヴォーリオは、ちょっと悪い感じ。

クラスでも一人ぐらいいたよね、ワルいのとつるんだりしているけれど家柄がよくて成績もいい男子。

そんな感じ。

太田基裕のティボルトが思った以上にワルでセクシーで、これまた嬉しい誤算。

ロミオが絶対に手を出さないと信じてロミオを挑発するあのシーンがすごくいい。

めちゃくちゃゆるんでふざけてロミオをからかった次の瞬間に殺されている。

ただ、欲を言えば、太田基裕のパリス伯爵も見たかった!

Wキャストでできなかったのかしら?

すごく弾けてくれそうな気がするんだけれど・・・・。

そして今回、「とても新しい!」と感じたのが、乳母のキャラクター。

吉沢梨絵の乳母は、若くてとてもキュートな乳母だった。

ジュリエットがまだほんの子供なら、乳母もやっと中年期に差し掛かったばかりの若々しさ、それもいいね!と思った。

キャピュレット夫人の彩吹真央も、やっぱり新しい感じ。

理由は、彩吹真央からは、あまりねっとりとした色気みたいなものは感じられず、むしろ理知的であるがゆえの厭世みたいなものが感じ取れたからだ。

歴代のキャピュレット夫人の涼風真世、香寿たつき、春野寿美礼からは、ねっとりとした香気がただよっていたものだが、彩吹真央のキャピュレットは「The女」ではなかった。

ティボルトがエロく絡んでくるあのシーンにおいても、なんだかさわやかな感じで、ティボルトだけがエロくて、キャピュレット夫人はあまりエロくない。。。

この解釈、というか演出なのか、彩吹真央独自の色なのかはわからないが、このキャピュレット夫人も非常に魅力的だな、と感じた。

キャストボード

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姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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作品情報

キャストなど

キャスト

ロミオ(Wキャスト):小関裕太/岡宮来夢
ジュリエット(Wキャスト):吉柳咲良/奥田いろは
ベンヴォーリオ(Wキャスト):内海啓貴/石川凌雅
マーキューシオ(Wキャスト):伊藤あさひ/笹森裕貴
ティボルト(Wキャスト):太田基裕/水田航生
死のダンサー(Wキャスト):栗山廉(K-BALLET TOKYO)/キム・セジョン(東京シティ・バレエ団)

キャピュレット夫人:彩吹真央
乳母:吉沢梨絵
ロレンス神父:津田英佑
モンタギュー卿:田村雄一
モンタギュー夫人:ユン・フィス
パリス:雷太
ヴェローナ大公:渡辺大輔
キャピュレット卿:岡田浩暉

◆R&Jダンサー
新井智貴、岡田治己、小澤竜心、笹川慎一朗、鈴木大菜、高山裕生、松平和希、水島渓、務台悠人、安井聡、脇田暉崚、渡辺崇人、大久保芽依、岡田梨依子、奥富夕渚、北田涼子、小石川茉莉愛、塩川ちひろ、柴田海里、高橋舞音、冨岡瑞希、本多玲菜、松井英理、宮崎琴

◆スウィング
中村翼、晴華みどり
佐藤志有、西山侑希、明部桃子、池畠結花

演出・音楽・振付等

潤色・演出:小池修一郎

音楽監督:太田健(宝塚歌劇団)
振付:KAORIalive AKIHITO/小尻健太
美術:二村周作
照明:笠原俊幸
音響:大坪正仁
衣裳:生澤美子
ヘアメイク:富岡克之(スタジオAD)
映像:石田肇
アクション監督:栗田政明
歌唱指導:山口正義/堂ノ脇恭子/板垣辰治
音楽監督補・稽古ピアノ:松田眞樹
稽古ピアノ:中野裕子
振付助手・振付協力:渡辺レイ
振付助手:小野麻里子
演出助手:坂本聖子/平戸麻衣
舞台監督:中村貴彦

最終更新日 2024年6月13日

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