2021年上演

【2021年】牢獄が舞台なのに何故かゴージャスな空気が流れる『蜘蛛女のキス』

2021-spiderwoman

https://lasfloresrojas.com

南米(おそらくアルゼンチン?)の刑務所が舞台の『蜘蛛女のキス』。

舞台はほぼ暗転なしで、延々と薄暗い刑務所のシーンが続く。

・・・にも関わらず、どこかゴージャス、どこかおしゃれな空気感すらただよう不思議な舞台。

なお、バレンティン役は相葉裕樹の村井良⼤のWキャストだったが、両方観劇。

観劇メモ

会場や観劇をした日など。

演目名

蜘蛛女のキス

会場

東京芸術劇場プレイハウス

観劇日

2021/12/04(Sat)ソワレ
2021/12/11(Sat)ソワレ

なぜゴージャスでおしゃれに感じる?

本当に不思議な空間が広がっていた。

薄暗い刑務所のシーンが延々と続いているにもかかわらず、ゴージャスでスタイリッシュで、おしゃれ。

その理由の一つは、主演の⽯丸幹⼆に非常に華があるから、だと思う。

このストーリーで描かれているゲイのモリーナは、少年にたいして性犯罪を犯したゲイの受刑者、という設定だが、それを演じる⽯丸幹⼆に華やかな雰囲気がある。

それと同時にモリーナは、芸術を愛する夢想家だ。

モリーナが語る女優「オーロラ」そして、「蜘蛛女」が、空想の産物として舞台に登場してくる。

これを1ミリの贅肉もつけていないスタイリッシュボディの安蘭けいが演じる。

美しい衣装や、セクシーないでたちで。

それが舞台に彩を与えているもう一つの理由だろう。

「蜘蛛女」として歌い踊る安蘭けいが、両腕をぴったりと胴体にくっつけた状態で、肘から手先にかけてだけを腰からぬぅーっと横に出す動き(振付?)には、ぞっとした。

本当に、スパイダーウーマンだ!と

体を絞っているからこそできる動き、まがまがしくも美しすぎる。

社会主義運動政治犯バレンティン

社会主義運動政治犯バレンティンは、相葉裕樹と村井良⼤のダブルキャスト。

村井良⼤のバレンティンは、なんというか、泥臭い印象のバレンティン。

理想のためなら地も這いずり回る、といった雰囲気がした。

一方の相葉裕樹は、時々アンジョルラス(レ・ミゼラブル)が見えるような気がいて(たぶん気のせいだが)、リーダーシップとカリスマ性のある革命家に見えてしまった。

容姿的にも、背が高くて華やかな印象があるので、余計そんな感じ。

とにかくこんな感じでまったく印象が異なるダブルキャストのバレンティンだった。

個人的な好みでいうと、私は、村井良⼤のバレンティンが好みかな。

その他雑感

刑務所の非情な所長役に鶴⾒⾠吾。

しばらく見ないうちに、いい感じの初老男性になっていて。。。時の流れを感じた。

私たちの世代の人間にとって、鶴⾒⾠吾といえば、金八先生で同級生中学三年女子(杉田かおるが演じてた)を妊娠させたというびっくりな役をやっていたのが記憶に懐かしい。

その鶴⾒⾠吾も、白髪がよく似合う初老になったか。。。

モリーナの母親役が⾹寿たつきだったが、衣装に少しだけ違和感。

受刑中の息子を案ずる年老いた母、というよりは、小学校教師みたいな印象だったので、その部分だけは少し気になった。

囚人その他を演じた佐々⽊ 誠、どこにいてもパッと目を引くなぁ、と思った。

刑務所の中で「おっぱいでかくて俺を待っている女が~」と歌うシーンが、非常に印象的。

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運営者情報

姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...

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作品情報

キャストなど

キャスト

モリーナ:⽯丸幹⼆
蜘蛛⼥∕オーロラ:安蘭けい
バレンティン:相葉裕樹∕村井良⼤(Wキャスト)

所⻑:鶴⾒⾠吾
モリーナの⺟:⾹寿たつき
マルタ:⼩南満佑⼦
マルコス:間宮啓⾏
エステバン:櫻井章喜

アウレリオ、囚人、オーロラの男達 (所長役 カバー) 他:藤浦功⼀
囚人フエンテス、オーロラの男達 他:佐々⽊ 誠
アムネスティ国際オブザーバー、囚人エミリオ、看守、オーロラの男達 (マルコス、エステバン役 カバー) 他:俵 和也
ガブリエル、囚人、オーロラの男達 他:伊藤広祥
脱走囚、囚人カルロス、オーロラの男達 他:半澤 昇
オーロラの男達、囚人 他:当銀⼤輔
オーロラの男達、囚人レイモンド、看守 他:荒⽊啓佑
オーロラの男達、囚人、看守 他:⽮内康洋
オーロラの男達、囚人 他:橋⽥ 康
モリーナの⺟∕マルタ役 スウィング:⼩島亜莉沙
オーロラの男達∕囚⼈達役 スウィング:上條 駿

演出・音楽・振付等

脚本:テレンス・マクナリー (マヌエル・プイグの⼩説に基づく)
⾳楽:ジョン・カンダー
歌詞:フレッド・エブ
演出:⽇澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
翻訳:徐賀世⼦
訳詞:⾼橋亜⼦
⾳楽監督:前嶋康明
振付:黒⽥育世
美術:⼆村周作
照明:佐々⽊真喜⼦
⾳響:⼭本浩⼀
⾐裳:⻄原梨恵
ヘアメイク:宮内宏明
歌唱指導:亜久⾥夏代
映像:ムーチョ村松
振付・ステージング:当銀⼤輔
演出補:伴・眞⾥⼦
舞台監督:齋藤英明

最終更新日 2022年1月1日

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