またしても韓国ミュージカル。
原作も映画も、まったく前知識なしで臨んだ。
Contents
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『破果(パグァ)』
会場
新国立劇場 中劇場
観劇日
2026/3/8(Sun)マチネ
2026/3/14(Sat)ソワレ
2026/3/19(Thr)ソワレ
主演・花總まりが挑んだ「60代の殺し屋」という新境地
これまでの「可憐」「キレイ系」といった役どころの印象を打ち砕こうとする、花總まりの凄まじい女優魂に圧倒された。
特に驚かされたのは、その発声の変化だ。
あんなに太く力強い声が出せるとは思わなかった。
演技面ではまさに「ブラボー!」の一言に尽きる。
一方で、持ち前のビジュアルの可憐さが、設定である「60代の殺し屋」としては、やっぱり違和感があった、というのが正直な感想だ。
白髪も、加齢によるものというよりクールなアッシュヘアに見え、年齢だってどう見ても45歳程度にしか映らなかった。
繰り返すが髪の毛も、「そのアッシュに染めた髪、クールでかっこいいね!」と思ってしまったのだ。
さらにこの役を難しくしているのが、「殺し屋」という設定だ。
アクションを伴う以上、動作を緩慢にすることで年齢を表現する手法が使えない。
身体能力を維持したまま、見た目だけで60代の説得力を持たせることの難しさを改めて感じた。
この難役に、もし別のキャストを配するならば、花總まりと同世代なら、安蘭けいや濱田めぐみかなぁ。。。
あるいはリアル60代をキャスティングするのならば、島田歌穂や保坂知寿あたりかな、と思った。
剥き出しになる「心のひだ」と複雑な人間ドラマ
ストーリーが面白かった!
物語の構成は、登場人物たちの繊細で複雑な心理描写が非常に秀逸だ。
トウが父を殺した殺し屋に憧れや思慕の念を抱くという歪んだ関係性は非常に興味深い。
また、リュウが若い爪角(チョガク)を助けたのは愛ではなく、一方で若い爪角はリュウを強烈に慕いながら、それをひた隠しにする。
その想いがリュウの奥さんには完全に見透かされていて、かつ奥さんもそれを認めているという設定。
それぞれの「心のひだ」をこれでもかと見せつけられる人間ドラマには、終始惹きつけられた。
隠しきれない愛と泥臭い熱演
特筆すべきは、若い爪角を演じた熊谷彩春の存在感だ。
安定した歌唱力はもちろんのこと、暗い人生を背負った少女を、この上なく泥臭く演じきっていた。
リュウへの愛は、どんなに隠しても溢れ出し、周囲にはバレバレになってしまう。
そのひたむきな切なさが、薄墨色のエロスで包含されていて、なんとも言えない苦みを感じさせられた。
その他
2026/3/14(Sat)ソワレにはアフタートークがあった。

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運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
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作品情報
キャストなど
キャスト
爪角(チョガク)役:花總まり
トウ役:浦井健治
ユン役:中山優馬
若い爪角(チョガク)役:熊谷彩春
リュウ/ カン博士(二役):武田真治
秋野祐香/大泰司桃子/東 倫太朗/
新井海人/今村心音/コイタ奈央美/下道純一/志村倫生
中西彩加/蛭薙ありさ*/矢澤梨央/若林佑太*/渡部又吁
(五十音順 *=スウィング)
演出・音楽・振付等
翻訳・訳詞:高橋亜子
演出:一色隆司
音楽監督:甲斐正人
美術:杉山 至
照明:倉本泰史
映像:松澤延拓 中澤裕季
音響:佐藤日出夫
衣裳:富永美夏
衣裳助手:川島加菜果
ヘアメイク:中原雅子
アクション:加藤 学
ステージング・振付:遠山晶司(梅棒) YOU
稽古ピアノ:石川花蓮
歌唱指導:板垣辰治
演出助手:吉中詩織
音楽監督助手:竹内 聡
舞台監督:八木清市
音楽制作:新音楽協会
制作:小川知子 小田未希
宣伝美術:吉田絵美
宣伝写真:岩崎真子
主催:ミュージカル『破果』製作委員会
