世界初演なのだそう。
フランク・ワイルドホーンの楽曲が、火曜サスペンス劇場の音楽にも似て聞こえ、とてもワクワクする作品だった。
Contents
観劇メモ
会場や観劇をした日など。
演目名
『ケイン&アベル』
会場
東急シアターオーブ
観劇日
2025/1/26(Sun)マチネ
2025/2/11(Tue)マチネ
興行的に成功した作品か?
ジェフリー・アーチャーの作品をベースとした、世界初演のミュージカル、ということだが、東京公演最終週では、3階席までびっしり観客が埋まり、興行的にとても成功した作品に見えた。
私は、ジェフリー・アーチャーは名前は聞いたことがあっても読んだことはないし、ケイン&アベルという作品についても、世界恐慌の時の話?ぐらいの前知識しかなかった。
・・・なので、どんなものかな?という気持ちで見に行ったのだが、正直、これは面白い!
ストーリーはシンプルに言って、二人の男が、対立してお互いの足を引っ張りあう、でも実は助け合うこともあった、というもの。
特に、アベル(松下優也)のあからさまなケイン(松下洸平)への嫉妬と、えげつない脚の引っ張り方は、潔いほどで、そこにフランク・ワイルドホーンが乗るわけなので、もうドロドロである。気持ち良いぐらいドロドロなので、見ている側は逆にスカッ!とするというわけだ。
ストーリーテラー・フロレンティナ
この作品では、アベルとザフィアの娘、フロレンティナが、最初から最後までストーリーテラーとして登場してくる。
可憐ながら芯の強い若い女性、フロレンティナ。
咲妃みゆだからこそ出せた存在感だと思った。
重要なストーリーを、歌で、セリフでつづっていくが、力量のある女優だからこそつとまる役。
ダンスシーン
ダンスシーンも注目できる点だった。
どんなミュージカルにもダンスシーンはあるが(あたりまえだ)、プリンシパルの心情を表現するコロスのような役割をするダンスシーンが多いのが印象的だった。
特筆すべきアーティストたち
知念里奈は、今まで見た知念里奈の中で一番良かった。
若い少女から、なんと若干口がフガフガしている婆ちゃんの役まで、何の違和感もなく演じ切っていたのと、ケイト(愛加あゆ)との重奏が美しかった。
また、リチャード(竹内將人)のかわいいこと!純朴な青年として出てきたので、ちょっとびっくりしてしまった。
金髪もものすごく似合っていた。
ただ、リチャードのミュージカルナンバーは多くはなかったので、もっとミュージカルナンバーが多いとよかったのに!と思った。
アンサンブルでは、咲良が特に目についた。
アベルの生みの母親としてのダンスシーンも印象的だったし、2幕でフロレンティナの同僚(先輩か?)役で出てきたのが見事はまり役で、とてもよかった。
ああ、こういうねえさんいるよね!みたいな憎めない感じがすごく素敵。
彼女には、今後、プリンシパルとしての出演もぜひしてもらいたいな。
キャストボードやその他写真

2025/1/26(Sun)マチネ

2025/2/11(Tue)マチネ
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運営者情報
姉本トモコ(@tomoko1572) 東京都出身の舞台芸術愛好家。 高校時代(1980年代!)から、セーラ服のまま劇場に出入りする青春時代を送る。 好きな場所は日比谷界隈、一番好きな劇場は帝国劇場。 ...
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作品情報
キャストなど
キャスト
ウィリアム・ケイン:松下洸平
アベル・ロスノフスキ:松下優也
フロレンティナ:咲妃みゆ
ザフィア:知念里奈
ケイト・ブルックス:愛加あゆ
ジョージ・ノヴァク:上川一哉
マシュー・レスター:植原卓也
リチャード・ケイン:竹内將人
ヘンリー・オズボーン:今 拓哉
アラン・ロイド:益岡 徹
デイヴィス・リロイ:山口祐一郎
飯塚萌木/榎本成志/加藤翔多郎/古賀雄大/咲良/佐渡海斗/島田 彩/徳岡 明/富田亜希/中村ひかり/廣瀬喜一/堀部佑介/本田大河/町田睦季/萬谷法英/宮内裕衣/宮田佳奈/森下結音/森山大輔/米澤賢人(五十音順)
スウィング:磯部杏莉/後藤裕磨
有澤 奏/小暮大智/髙橋 輝/萩原ゆめの/古澤利音/山口亜美菜(五十音順)
演出・音楽・振付等
原作:ジェフリー・アーチャー
音楽:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ネイサン・タイセン
編曲:ジェイソン・ハウランド
振付:ジェニファー・ウェーバー
脚本・演出:ダニエル・ゴールドスタイン
プロデューサー:仁平知世・田中利尚(東宝)
アソシエイト・エグゼクティブ・プロデューサー:北牧裕幸(キューブ)
エグゼクティブ・プロデューサー:池田篤郎(東宝)
製作:東宝/キューブ
主催:新歌舞伎座/梅田芸術劇場